アセスメント研究開発室

調査・研究データ

日本テスト学会 第14回大会 発表報告「論述力を測定する混合フォーマットテスト開発の試み」

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研究の目的

 現在、大学入試をはじめ、教育効果を測定するテストに論述式の問題の導入が求められつつあります。しかし、一般に論述式の問題は1問あたりの解答時間が長く、採点コスト(採点に要する費用や時間)も大きいことから、あまりたくさん出題することができません。そのため、論述式の問題のみでテストを構成しようとすると、十分な測定精度を確保することが難しいという課題があります。こうした課題に対する一つの解決策として、多肢選択式の問題と論述式の問題を組み合わせた「混合フォーマット型」のテストを開発することが考えられます。本研究は、アセスメント研究開発室が開発している「論述力テスト」を使用して、混合フォーマット型のテストにすることで、測定の正確さがどのように変化するか研究したものです。

研究の概要

<研究テーマ>
 論述力を測定する混合フォーマットテスト開発の試み


<研究方法>
 首都圏の大学生167人に、3つの論述テストと5つの客観式テスト(語彙、短答式の語彙読解、教科型読解、汎用読解、批判的思考)を受検してもらい、論述テストの評定値(1つの答案を2名で採点)と、客観式テストの各得点を分析に使用しました。分析では、3つの論述テストと各テストとの関係を明らかにし、論述テストで問いたい力を最も高い精度で測定するにはどの組み合わせで出題するのがよいかを調べました。


<実施時期>
 2015年12月


<主な結果と得られた示唆>
 相関係数および因子分析の結果から、批判的思考テストが最も論述テストと近い能力を測定していることが示唆されました。測定の正確さを指標化して行った分析では、「論述テストの問題1問+批判的思考テストの問題40問」と、「論述テストの問題2問+批判的思考テストの問題20問」の測定精度が同程度であることがわかりました。論述テストの問題1問と、批判的思考テストの問題20問を解くのに要する時間はともに30分程度です。したがって、テスト時間を短縮することにはならないものの、採点のコストを半分程度に減らすことができるため、論述テストと批判的思考テストを組み合わせて出題するメリットは大きいと思われます。
 詳細は第14回 日本テスト学会大会発表資料をご参照ください。


⇒発表資料へ


 なお本研究は、日本テスト学会第14回大会において「日本テスト学会大会発表賞」を受賞しました。



<研究企画・分析メンバー>
野澤 雄樹・伊藤 素江・須永 正巳・堂下 雄輝・村田 維沙
       ※いずれもベネッセ教育総合研究所 研究員

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