BERD 2006 No.5
【特集】
インタビュー
profile
中島和子
名古屋外国語大学外国語学部日本語学科教授
なかじま かずこ

名古屋外国語大学外国語学部及び日本語教育センター教授。
教育言語学、バイリンガル教育研究専攻。
国際基督教大学でM.A.、トロント大学でPHIL.M. を取得。
トロント大学教授を経て現職。
主著に『バイリンガル教育の方法〜12歳までに親と教師ができること〜』増補改訂版(アルク)『言葉と教育〜海外で子どもを育てている保護者のみなさまへ〜 』(海外子女教育振興財団)など。
Refarences
●『バイリンガル教育の方法〜12歳までに親と教師ができること〜』中島和子著/アルク/2001年(増補改訂版)
●『 言葉と教育〜海外で子どもを育てている保護者のみなさまへ〜 』中島和子著/海外子女教育振興財団/2000年
●『カナダの継承語教育〜多文化・多言語主義をめざして〜』ジム・カミンズ & マルセル・ダネシ著/中島和子・高垣俊之訳/明石書店/2005年
BERD
   PAGE 1/4 次ページ

母語以外の言葉を子どもが学ぶ意義
──バイリンガル教育からの視点──
中島和子[名古屋外国語大学外国語学部日本語学科教授]

中島和子
 小学校で英語を本格的に教える機運が高まる中、海外で行われている語学教育から私たちは何を学ぶことができるのだろうか。
 カナダやヨーロッパでは、2言語以上の習得を目指す「バイリンガル教育」が早くから実践されてきた。
 バイリンガル教育を研究され、特にカナダの言語教育に詳しい中島和子先生に話をうかがった。
これからの日本人に求められる語学力
 現在は日本人でも、国際共通語としての英語でコミュニケーションを取らなければならない時代が到来しつつあるといえます。それは決して海外でだけの話ではなく、国内においても、多様な文化の人々と外国語で会話をする必要があるのです。ここ、名古屋外国語大学がある愛知県には、大勢のポルトガル語を話すブラジル人が居住しており、そうした人々とは日本語以外でコミュニケーションを取る必要が出てきます。「グローカル(global+local)」という言い方を最近耳にするようになりましたが、日本はもっと国内における国際化、多様化に目を向け、ローカルなニーズにも応えていくべきです。
 日本語を母語とする日本人が、外に向かって働きかけるときには語学力が必要とされます。EU(欧州連合)では、母国語に加えて、地域の言語と隣の地域の言語、つまり母語プラス2言語を共通目標としているそうですが、これからは日本でも、英語プラス他の言語もできるようにならなければいけない時代が来るでしょう。英語を話せるようになるのはもちろん大切ですが、隣国の言語である韓国語、中国語など、日本人が積極的に学ぶ必要がある外国語は他にもたくさんあります。
 海外では、こうした母語以外の言葉を子どもたちに習得させるために、もう長年「バイリンガル教育」に取り組んでいます。日本で小学校からの英語教育が本格的に始まろうとするとき、諸外国での「バイリンガル教育」の方法や成果から参考にすべきことがあると思います。
   PAGE 1/4 次ページ
研究者(BERD)TOPへ戻る 2006年度バックナンバーへ戻る