ベネッセ教育総合研究所
特集 小・中の壁を超える中1・1学期の指導 とは?
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小・中の壁を超える中1・1学期の指導 とは?
 小学6年生と中学1年生との間には、段差がある。この段差をうまくクリアできずに、学業不振や学校不適応を起こしてしまう子どもは少なくない。小6から中1へのステップを確実に踏ませるために、中学校として、中1の1学期にどんな指導が必要とされるのか、中学校初期指導のあり方を探る。


課題整理
いま、なぜ、中1・1学期の指導なのか?
 中学1年生の1学期とはどんな時期なのか。とりわけ最近の生徒の傾向や学校として克服すべき課題はどのようなことなのか。いま、中学校現場で「中1・1学期の指導」が重要となっている背景を、データ等から整理してみた。
中1で激増する不登校やいじめ問題
 小1から中3まで9年間の義務教育期間のなかで、子どもたちが最も学校不適応を起こしやすいのが中1の時期だ。  例えば不登校。文部科学省の調査によると、不登校の児童・生徒数は、図1のように学年が進むにしたがって増えているが、とくに小6から中1にかけては、3倍近くに増加する。
図1 2003年度学年別不登校児童・生徒数
図表
文部科学省「生徒指導上の諸問題の現状について」(2004)より
 また、いじめについては、図2のように中1の発生件数が小・中9年間を通してトップとなっており、全体の発生件数の約3割を占めている。
図2 2003年度学年別いじめの発生件数
図表
文部科学省「生徒指導上の諸問題の現状について」(2004)より
 さらに学習面でも、学習内容・学習量の増加、教科担任制の開始、授業スタイルの変化などの要因で、中学校の授業への不適応を起こす子どもが少なくない。


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