指導変革の軌跡 スポーツクラブと部活動の連携で地域とのつながりを強化

岐阜県 多治見市立小泉中学校

岐阜県 多治見市立小泉中学校

岐阜県の南端に位置する多治見市に1948年開校。2003年に文部科学省の「総合型地域スポーツクラブ育成推進事業」の指定を受け、部活動を母体としたスポーツクラブを地域と共に運営している。

校長●岩田誉志雄先生

児童数●497名

学級数●15学級(うち特別支援学級1)

所在地●〒507-0073 岐阜県多治見市小泉町7-70

TEL●0572-27-2620

FAX●0572-20-0124

URL●http://www2.city.
tajimi.gifu.jp/~koizm/


岩田誉志雄

▲多治見市立小泉中学校校長

岩田誉志雄
Iwata Yoshio
松井紀史朗

▲多治見市立小泉中学校教頭

松井紀史朗
Matsui Kishiro
藤原 巧

▲多治見市立小泉中学校

藤原 巧
Fujiwara Takumi
保健体育担当
水野謙司

▲こいずみ総合クラブ

水野謙司
Mizuno Kenji
丹羽英雄

▲こいずみ総合クラブ

丹羽英雄
Niwa Hideo
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 1/5 次ページ

指導変革の軌跡

そのとき、生徒は、教師はどう変わったか

スポーツクラブと部活動の連携で地域とのつながりを強化

岐阜県多治見市立
小泉中学校

実践のポイント
Point1 完全学校週5日制移行を契機に、地域主体の総合クラブを設立
Point2 部活動の顧問とクラブの指導者で、指導の方針をすり合わせる
Point3 保護者の協力を得ることで、地域の一体感を醸成

学校週5日制の導入で週末の過ごし方が課題に

 部活動とスポーツクラブを一体的に運営し、学校と地域の連携を強める。そんな取り組みが、岐阜県多治見市の小泉中学校区で進められている。その名も「こいずみ総合クラブ(KSC)」。きっかけは完全学校週5日制の導入だ。岩田誉志雄校長は、学校の問題意識を次のように語る。
 「気がかりだったのは、生徒が週末を無為に過ごしてしまうことでした。それまでは少なくとも土曜日は学校で生徒を指導していましたが、休日になるとそれも難しくなります。特に部活動をどう維持するのかは大きな課題でした。有意義な週末を過ごさせるために、新しい受け皿が必要だという思いがありました」
 地域も同じく課題を感じていた。PTAの代表の一人として、クラブの発足にかかわった水野謙司さんは次のように話す。
 「土曜日が休みになることで、子どもの活動に先生方の目が届かなくなることが心配でした。地域も一緒になって子どもを見守る仕組みをつくらなければならないと考えました」
 そんな折、同校にとってありがたい話が舞い込んできた。多治見市が文部科学省の推進する「総合型地域スポーツクラブ」のモデル地区の指定を受けたのだ。総合型地域スポーツクラブとは、住民が生涯に渡ってスポーツを楽しめるよう、地域主体で運営するスポーツクラブのこと。文部科学省は2001〜10年の間に、全国の市区町村に少なくとも一つ総合型地域スポーツクラブを設置することを目標としている(下記コラム参照)。
 部活動を活性化させると同時に、スポーツを軸に地域全体で子どもを育てる仕組みができないか…。ここに、学校と保護者、行政の思いが一致した。校長、PTA会長、各部活の保護者代表は、02年度からクラブ設置の検討を始め、1年かけて制度規約や保険の手続き、施設の利用など具体的な運営方法を話し合った。そして03年、「こいずみ総合クラブ」は発足した。
COLUMN

   PAGE 1/5 次ページ
目次へもどる
中学校向けトップへ