ベネッセ教育総合研究所
特集 教育の質をどう保証するか
 
PAGE 13/41 前ページ次ページ


事後評価は事前より包括的に

―中間報告で提言されている事前評価と事後評価の「適切な役割分担と協調」とは、どのようなことを指すのですか。

木村
 議論の発端となった法科大学院を例に挙げると、その制度設計にあたっては、司法制度改革推進本部の法曹養成検討会などで議論を重ね、設置条件をかなり厳しくしました。事後評価ではその条件が継続的に満たされているかを見ればいいわけで、事前と事後の評価がセットになっています。

―学部・学科の場合も、設置認可の条件と照らし合わせて事後評価をするということですか。

木村
 というより、設置審査は基本的に必要最低限のものに簡略化されますから、事後評価では、それも含めたより包括的で詳細な評価をするということです。実際、大学評価・学位授与機構が行う認証評価は、設置審査の内容をかなり意識したものになっています。

―もっとも評価が難しいのは教育面ではないかと思いますが、事前と事後でどのような役割分担と協調が考えられますか。

木村
 教育効果は10年、20年という長いスパンでみる必要がありますので、その評価は非常に難しいのですが、PDCAサイクルが機能しているかどうかを調べるだけでも教育効果はある程度判定できます。
 事前評価の段階では、このサイクルが整備されているかを審査します。大学の活動が始まっていないため、あくまでも計画段階での審査です。事後評価では、計画されたPDCAサイクルが実際に機能しているかをみます。教育プログラムのプランにどれだけの教員が実際にコミットしたのか、教育効果を評価するシステムがどう運用されたか、問題があった場合にそれを是正する組織が機能したかなど、設置段階の計画に則して評価するわけです。



PAGE 13/41 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse