特集 志望校はこう選ばれている

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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わが子の進路選択ストーリー CASE 1

関東の単科大学 社会科学系学部1年生(女子)の母親

入試形態 ● 指定校制推薦入試
出身 ● 関東の公立高校
通学(住居)形態 ● 自宅

子どもと対等に話せるよう自分でも情報を集めて
適宜、アドバイス

[ 担任の言葉で志望学部を変更 ]
 娘は、将来は図書館司書になりたいと、資格を取得できる文学部を志望していた。条件に合う大学は自宅からの通学圏内に複数あり、私たちも賛成していた。しかし、3年次の4月に担任から「司書は就職が難しい」と言われ、本人は急に不安になったようだ。高1から地元のボランティアサークルで活動を続けていたこともあり、福祉関係の学部に志望を変更したいと、6月頃に相談された。
 その頃、図書館に関する新しい法律(文字・活字文化振興法)ができたことをニュースで知った。図書館が増え、就職も問題ないのではないかとも思った。しかし、福祉関係の学部に進学し、司書と社会福祉士両方の資格を取っておけば、将来の選択肢が増えると考えた。そこで、両方の資格を取得できる大学を探せばいいのでは、とアドバイス。結局、福祉系の学部に志望変更することになった。

[ 10校ほど資料請求、見学にも同行 ]
 図書館司書の資格が取れ、福祉の勉強もできる大学を探し始めたが、首都圏だけでも調べるのは大変だった。私も自分の受験経験を思い出したり、学校から配布された受験情報誌を隅々まで読んだりして、娘に合いそうな大学10校ほどから資料を取り寄せ、自分なりに勉強した。そのため、娘の話が分からないということはなかったし、質問にもきちんと答えられた。スムーズに話ができたことで娘も安心感を持ち、いろいろと相談してくれた。オープンキャンパスにも一緒に行ってほしいと頼まれ、5校に行った。
 娘の自主性を尊重したかったので、「どうすればいいか」と相談を受けたときにアドバイスするだけにとどめた。経済的な理由で、自宅から通学できる大学を、ということだけ伝えた。

[ 指定校の中に「行きたい大学」が ]
 いろいろ調べた中で、娘が最も引かれたのが今通っている大学だった。オープンキャンパスや学園祭で3回訪れ、大変気に入っていた。「質問に先輩が丁寧に答えてくれた」「学園祭は楽しかった」と、行く度にうれしそうに話してくれた。私自身は入学前に行くことはなかったが、自宅から近く、周辺の環境のことも知っていたので、不安はなかった。
 夏休みが明けた頃には、そこを第1志望にする気持ちが固まりかけていた。そんな折、高校から配られた指定校制推薦入試のリストの中に、その大学の名前を見つけた。娘は模試で英語に不安を感じていたので、推薦入試は非常に魅力的だったようだ。募集学部も志望していたところだったので、早速、担任に相談。ボランティア活動で自治体から表彰を受けたこともあったので、問題ないだろうということだった。
 国公立大学やほかの私立大学という選択肢もあったが、母娘で思い描いていた条件にぴったりの大学だった。一般入試で受かる保証もないので、指定校制推薦入試で入学を決めた。


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