進む高校の特色化

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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進む高校の特色化―学力向上対策を中心に―

今、高校には統廃合による再編の波が押し寄せ、独自の特色化が強く求められている。特に、大学進学率アップを目指した学力向上の取り組みを特色として掲げる都道府県が多い。教育委員会への取材とベネッセコーポレーションの教育情報部が入手した情報を基に、各都道府県の施策や特徴、課題を分析。大学が、変わりつつある高校にどう対応し、志願者増につなげることができるのかを探る。

特色化の背景

再編と学区の廃止・拡大が原動力

 「全入時代」を目前に、大学は入試方法や広報活動に工夫をこらすことはもちろん、改組転換やカリキュラム改革で教育の中身そのものを充実させ、受験生を引きつけようとしている。
 一方、大学のマーケットである高校でも少子化の影響は確実に現れている。「2005年度学校基本調査速報」によると、高校進学率は97.6%だが、入学定員が満たされていない高校があるのが現状だ。授業や行事などを円滑に行うためには、適切な学校規模を維持しなければいけない。そこで、それぞれの都道府県(以下「県」)では、統廃合などによる公立高校の再編を進めている。文科省の取りまとめを見ると、すべての県が高校再編を「計画」または「検討中」で、10年度をめどに段階的に高校の数を減らす県が多い。
 学区の再編・統合も、全国的な広がりを見せている。中学生の多様な進路観に応えるため、受験できる高校の数を増やし、自分の希望に、より合った高校を選んでもらうことと、ミスマッチを減らして中退率を下げるという、二つの目的がある。
 高校の再編と学区の廃止・拡大は同時に進められることが多い。ベネッセコーポレーション教育情報部課長の飯塚信氏は、これらが特色化の原動力になっていると説明する。「中学生に選ばれる側になったことで、『公立高校といえども積極的に独自の魅力を作り出す必要がある』というのが、現場の教員の認識となっている」。
 こうした特色づくりを後押ししている制度面の変化も見逃せない。大きな要因は、地方分権の流れだ。
 地方分権推進法が制定された95年以降、市町村の合併や、教育特区の拡大などにより、より大きな裁量権を持って、地方自治体が施策を練ることができるようになった。地域の課題や方針によって教育面で柔軟に対応でき、高校はそれぞれ特色ある組織や教育課程をつくれるわけだ。


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