特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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着手に向けて

外部調査などを活用し実情に応じて段階的に整備

 組織的なIR活動が困難な場合、すでにある情報やシステムを活用したり、外部の調査に参加してデータのフィードバックを受けたりするだけでも、IR活動の第一歩としては十分ではないだろうか。
 どの大学も自己点検・評価などのために膨大な情報を集めているし、複数の部署が似たような学生アンケートを実施している例も見られる。各部署の所有データを一元的に管理し、重複部分を調整する部署や担当者を決めて、必要な時に必要な情報をスムーズに受け渡しできるルールさえ整えておけば、とりあえず用は足りるという大学も多いのではないか。実際、組織の構築にこだわらず、機能としてIRを実践している大学も少数ながらある。
 大学が利用できる外部調査には、山田教授の研究グループが実施している大学生調査や、(株)ベネッセコーポレーションの大学満足度調査がある。これら全国規模の調査に参加すれば、他大学との比較も多様な切り口で可能になるはずだ。
 部署横断のネットワークを敷いて既存の情報を最大限に活用するか、外部の調査に参加するか、あるいは本格的なIR組織の構築をめざすのか。各大学の実情とニーズに合わせてできることから始め、段階的に発展・充実させることが重要だ。
 既存の情報を活用するにしても、それを毎年度、入力するには教員に一定の負担がかかってしまう。この点が課題になっている大学は多いと考えられる。識者がそろって指摘したのは、「IRによって学生の意欲や学力を高めることができると確信すれば、教員は必ず動く」ということだ。このような確信を与えてデータ入力のモチベーションを上げるためには、IR担当者が試験的に情報分析を行い、その結果と改革案を伝える報告会を開くことも有効だろう。


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