VIEW21 2002.10  コミュニケーション新時代
 生徒との時間をより大切にするために

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独自の学務情報システムを構築
大学間ネットワークとの併用で
「顔」が見える学びの空間をキャンパスに実現

熊本大

 熊本大には毎年、他大学から多くの見学者が訪れる。その目的は、煉瓦づくりの古い建物でも、かつてここで教鞭を振るった文学者たちの足跡を訪ねることでもない。彼らが関心を寄せているのは、熊本大の情報技術活用システムである。
 独自の学務情報システム=「SOSEKI」と、衛星通信大学間ネットワーク=「SCS」とで、新たな学びの場、コミュニケーションの場を創造しているキャンパスの様子を探ってみたい。


教官の要望と事務効率化の必要性から
「SOSEKI」誕生

 熊本市の中心部にほど近い熊本大・黒髪キャンパス。緑が生い茂る広大なキャンパスの中に見える赤煉瓦の英国風の建物は、かつて夏目漱石やラフカディオ・ハーンが教鞭を執ったことで知られる旧制第五高等中学校(熊本大の前身の一つ)の校舎。伝統と格式を感じさせるこの風景から、「情報技術(IT)の最先端」を想像することはあまり容易なことではない。しかし、そういった印象も、一度学生たちの集まるパソコンルームに足を踏み入れれば、がらりと変わってしまう。
 ずらりと並ぶディスプレイに向かって学生たちが行っているのは、休講情報などの掲示板確認や教官への面会予約、健康診断の結果参照など。ここでは、IDとパスワードさえあれば、学生生活で必要となる様々な事務手続きを、パソコンを使って容易に行うことができる。事務関係の手続きを統一し、簡便にしたこのシステムが今、各地の大学から熱い視線を浴びている。


写真 写真 写真
熊本大
総合情報基盤センター
助教授

杉谷賢一
Sugitani Kenichi
熊本大
学生部教務課学務情報係長

宮津勇一
Miyatsu Yuichi
熊本大
学生部教務課学務情報係主任

後藤正三
Goto Syozo

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