ベネッセ教育総合研究所
特集 自学自習力の育成
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教師の長所を生かすことが組織の活性化を生む
――生徒への指導には教師個々の頑張りも重要ですが、学校内の組織を活性化させることも欠かせません。活気ある組織づくりに大切な視点は何でしょうか。
 組織を活性化するには、一人ひとりの教師が自分の長所を発揮できるようにすることが大切です。仕事をしているときに楽しいと思う、生き生きしている――。それは、自分の「我」に合っているからで、つまりそれが教師にとっての長所なのです。では、教育に必要な「我」とは何か。それは「父性」「母性」「子ども性」の三つです。厳しく躾て譲らない鬼瓦のような先生、相談室や保健室で生徒のことを考えて進路相談やカウンセリングをする先生、修学旅行や特別活動などで一緒に楽しむことのできる先生。厳しさと優しさ、生徒と同じ目線で考えたり遊んだりできる素質、この三つの「我」が教育現場には必要です。
――まず、自分の「我」を見極めて、組織の中で自分の力を発揮することが、組織全体の活性化にもつながるということですね。
 ただ、態度や躾が乱れている現代において、生徒の「心のコップを上向きにする」には、どうしても「父性」が必要です。「父性」が乏しい先生はそれを身に付けることが求められます。
 生徒に目標を持たせて、それを実現させるためには、生徒に「人間は変われるんだ」ということを、教師が自信を持って伝えられなければならない。それにはまず教師自身が「人間はこれだけ変わることができる」という強烈な実体験を持っていなければ説得力はありません。自分は変われた。だから生徒も変えられる――こうした経験を持つことが、「態度教育」を意味あるものに変え、生徒のやる気を生み出す第一歩になるのです。


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