ベネッセ教育総合研究所
大学改革の行方 変わる高等教育
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大学改革の行方
変わる高等教育
〜独立行政法人化を迎えて〜
 国立大の再編・統合の方針が打ち出されて3年が経ち、2004年4月、いよいよ国立大は独立行政法人として再スタートを切った。法人化に伴う独立採算の確保、評価制度の施行、私立大を交えた生き残り競争の激化など、大学教育は新たな幕開けを迎えることとなる。
 今号は大学改革の全体像を把握するために、これまでの大学改革を振り返りながら、現状と今後の展望をレポートする。
大学改革の具体的な取り組み
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総括
大学改革04年までの流れ
 大学改革の現状と展望に臨む前に、改革の歩みを簡単に振り返ってみたい。
 87年の大学審議会発足、91年の答申「大学教育の改善について」と徐々に表れつつあった大学改革への兆しは、98年の答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」において、現在の改革につながる具体像が明らかとなった。同答申では、
(1)教育研究の質の向上、
(2)教育研究システムの柔構造化、
(3)組織運営体制の整備、
(4)多元的な評価システムの確立、
という四つの基本理念に沿って制度を大胆に見直すこととし、具体的方策として専門大学院の制度化、学長補佐体制の整備、第三者評価システムの設置などを挙げた。
 01年には
(1)国立大の再編・統合、
(2)新しい「国立大学法人」への早期移行、
(3)世界最高水準の大学の育成という改革方針が掲げられ、特に(3)は「トップ30大学構想」として当初、マスコミでも大きく取り上げられた。
 こうして制度改正への下地が練られていく中、03年7月、国立大学法人の組織や運営について定めた「国立大学法人法」が可決。同8月には学校教育法が改正され、
(1)専門職大学院の創設、
(2)認可制度の見直し(学部等の設置が届出制に)、
(3)認証評価機関による大学評価制度の導入が正式決定した。98年の答申から6年を経て04年4月、国立大は独立行政法人に移行。法科大学院も始動するなど、大学教育は新たなステージに入った。
 以上の流れを踏まえ、次ページからは大学改革の展望と、高等教育の今後について見てみたい。
図1


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