ベネッセ教育総合研究所
特集 導入期の集団づくり
寺町敬志
愛知県立豊田西高校教頭
寺町敬志
Teramachi Keishi
教職歴31年目。同校に赴任して2年目。理科担当。「好きなことをとことん追求できる生徒、他者を思いやれる生徒を育てたい」
松田昌浩
愛知県立豊田西高校
松田昌浩
Matsuda Masahiro
教職歴22年目。同校に赴任して8年目。進路指導主事。数学担当。「学校としてぶれのない指導と、先生方の個性の発揮を両立させたい」
近藤博靖
愛知県立豊田西高校
近藤博靖
Kondo Hiroyasu
教職歴24年目。同校に赴任して14年目。3学年主任。数学担当。「勉強ができるだけでなく、規則をしっかり守ってこそ西高生」
松永賢治
愛知県立豊田西高校
松永賢治
Matsunaga Kenji
教職歴21年目。同校に赴任して7年目。2学年主任。英語担当。「ストレスに負けない強い心を持った生徒を育てたい」
久田恒夫
愛知県立豊田西高校
久田恒夫
Hisada Tsuneo
教職歴17年目。同校に赴任して7年目。1学年主任。地歴公民担当。「生徒一人ひとりをしっかり見て、確実に指導していきたい」
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特集2 導入期の集団づくり 愛知県立豊田西高校
実践事例
「学習集団」としての意識確立を導入期
指導の主眼に据える



「大学を目指す集団」としての意識を喚起し、10数年で進学校に脱皮
 04年度に創立64年目を迎えた愛知県立豊田西高校は、企業城下町、豊田市近隣地域における中心的な進学校である。豊田西高校の生徒の中には、トヨタ自動車関連企業の子弟も多く、名古屋大の50名前後を筆頭に、毎年約250名の国公立大合格者が輩出している。だが、「進学校」としての豊田西高校の歴史は必ずしも古いものではない。実は、1980年頃までは、国公立大合格者は15名前後という水準にとどまっていたのである。当時の状況を、3学年主任の近藤博靖先生は次のように振り返る。
 「入学してくる生徒の学力レベルは、今と比べてそれほど低いわけではありませんでした。しかし、学習指導の問題以上に、入ってきた生徒たちを、『大学進学を目指す集団』としてきちんと育てることができなかったために、実績が伸びなかったのです」
 このような状況を打破した原動力こそ、豊田西高校の教師が一丸となって取り組んだ、「学習集団」づくりを重視した導入期指導の実践である。遅刻、服装指導の徹底はもちろんのこと、豊田西高校が「進学校」であることを繰り返し生徒に訴えかけ、意識改革を図ってきたのだ。
 「進学校としての地歩を固めるには、学校が学習の場であることを認識させながら、『同じ西高生として、皆と共に頑張ろう』という空気を醸成していくことが不可欠です。特に導入期には、生活指導や家庭学習習慣の形成以上に、こうした生徒の内面の感化を図ることが大切だと考えています」(寺町敬志教頭)
 では、豊田西高校では具体的にどのような指導を展開しているのだろうか。以下でそのポイントを具体的に見てみよう。


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