ベネッセ教育総合研究所
特集 導入期の集団づくり
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こまめな面談で生徒の状況をリアルタイムに把握する
 さて、以上のような取り組みが「やりっ放し」で終わらないよう、豊田西高校の教師たちが面談やデータ収集を通じて、指導の効果検証を試みていることも注目されよう。2学年主任の松永賢治先生は、その重要性を強調する。
 「指導の成果がきちんと出ているのかどうかフォローすることは、取り組みの実施と同じくらい重要な意味があると考えます。導入期においても、入学式直後と6月の中間考査後に二者面談を実施し、その結果を基に、夏休みにはすぐに成績不振者対策を実施しています。また、指導計画で決められた以外にも、学年団で申し合わせを行い、とにかく掃除の時間でも休み時間でも、生徒と密にコミュニケーションを取るように心掛けています。指導がきちんと生徒に届くには、日常的な教師と生徒の関係性が不可欠だと考えます」
 一方、声掛けなどのフォローと並行して、豊田西高校は定量的な学習実態調査にも力を入れている。
 「年2回の校内学習実態調査に加え、スタディーサポート、考査2週間前の学習時間調査などにより、学習の量と質を確認しています。必要な生徒には面談を行って、正しい学習習慣が身に付くようフォローしています」(久田先生)
 また、こうして収集された情報が、きちんと教師間で共有できるシステムが構築されていることも豊田西高校の特徴の一つだ。
 「情報共有の場は学年会や担任会になりますが、話し合いの時間が確保できるよう、50分の授業時間の調整を行い、時間割の中に組み込んだ形で各学年の『担任会』の時間を設けています。週1回確実に時間が取れるので、会議が流れて情報共有が遅れることもありません。また、面談の結果、すぐに対応が必要だと思った生徒の情報などは、学年会や担任会が開催されるのを待たずに、毎朝の職員打ち合わせの場で逐一共有するようにしています。その結果は日々の指導はもちろん、土曜セミナー(1、2年次は隔週、3年次は毎週土曜午前に、主に講義を実施)の実施計画などにも随時反映されています。学年団全員で個々の生徒をサポートできるようになるのが理想ですよね」(松永先生)


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