ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 東アジア高校英語教育GTEC調査報告 小学校英語導入、SELHi型指導の成果を探る
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2 GTEC for STUDENTSスコアの3か国結果概況
 03年度及び04年度と、2か年継続して調査にご協力いただいた高校における3か国の結果概況を見てみたい(図3)。
▼図3 「GTEC for STUDENTS」スコア・3か国結果概況
図3
▲クリックすると拡大します。
 まずGTECのトータルスコアに着目して見ると、3か国の高校生の到達レベルはグレード3・4に集中していることが分かる。外国語として英語を勉強している東アジア圏の高校生は、概ね、高校1年次で短期間のホームステイができるくらいのレベルに、高校2年次で英語圏の高校に行って授業に参加できるくらいのレベルに到達していると言えよう。
  次に、各国の結果を技能別に検証したのが図4である。リーディングでは韓国・中国が高校1・2年生共にグレード5、日本がグレード4となっている。3か国で共通してスコアが高いことから、リーディングは、外国語として英語を学習する場合には、勉強しやすく、指導効果も上がりやすい技能だと言えるだろう。また、リスニングについては各国共に、グレード3前後に位置する結果となった。
▼図4 GTEC for STUDENTS技能別スコア結果
図4
  一方、ライティングについては3か国ともおしなべてスコアは低い。高校1・2年生で、日本・中国が共にグレード3、韓国はグレード2にとどまっている。この結果には、指導方法を含めた様々な要因が考えられるが、技能によって習得の難易度が異なるのかも知れない。
  ライティングの答案について、より詳細に分析したのが図5である。GTECのライティングテストは20分間で与えられたテーマに対して意見を記述する形式を採っているが、各国の総語数とパラグラフの数に注目したい。語数としては、中国と日本が多く、韓国は少ない。またパラグラフの数に注目すると、ほぼ同じ語数を書いているにもかかわらず、中国は日本に比べてパラグラフ数が少ないことが分かる。
▼図5 ライティング答案分析
図5
  この結果からは、韓国では文章構成に対する意識が、中国はパラグラフに分ける、あるいはパラグラフを作るといった意識が希薄である可能性が推測される。日本の生徒は使用語数が多く、パラグラフ分けも行っていると評価できそうだが、別途分析を行ったところ、複雑な文型や構文の使用を避ける傾向が見られた。


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