ベネッセ教育総合研究所
SSH指定校レポート
愛知県立岡崎高校
愛知県立岡崎高校
愛知県中部の西三河地区に位置し、100年を超える歴史を持つ伝統校。例年、東京大、京都大、名古屋大等の難関国立大に多数の合格者が輩出する進学校である。部活動も盛んで、コーラス部や陸上競技部などは、全国大会で活躍する実績を持つ。

設立 1896年(明治29年)
形態 全日制・定時制、普通科(共学)
生徒数(1学年) 約360〜400名(全日制1学年)

04年度入試実績 国公立大には東京大31名、京都大9名、名古屋大99名、大阪大16名など321名。私立大には慶應義塾大52名、早稲田大69名、東京理科大16名、同志社大59名など延べ622名。
住所 愛知県岡崎市明大寺町伝馬1
電話 0564(51)0202
URL http://www.okazaki-h.aichi-c.ed.jp/
青山伸一
愛知県立岡崎高校教頭
青山伸一
Aoyama Shinichi
教職歴26年。同校に赴任して3年目。担当教科は化学。「師弟の和熟は育英の大本たり」(旧制第五高等学校創立十周年記念式典祝辞より 夏目漱石)
藤原波一
愛知県立岡崎高校
藤原波一
Fujiwara Namikazu
教職歴25年。同校に赴任して6年目。担当教科は化学。「Where there is a will, there is a way. 強い意志が道を切り開く。新しいことに挑戦する生徒を育てたい」
高井俊直
愛知県立岡崎高校
高井俊直
Takai Toshinao
教職歴17年。同校に赴任して4年目。担当教科は生物。「少しでもいいから本物に触れ、実体験できる生物の授業を目指しています」
酒井泰雄
愛知県立岡崎高校
酒井泰雄
Sakai Yasuo
教職歴32年。同校に赴任して7年目。総務担当。担当教科は物理。「何事に対しても常に『なぜ』という探究心を持ち続けることの大切さを教えていきたい」
中神正幸
愛知県立岡崎高校
中神正幸
Nakagami Masayuki
教職歴24年。同校に赴任して11年目。2学年主任。担当教科は物理。「労を惜しまず、常に努力していく生徒を育てたいと思います」
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SSH指定校レポート
愛知県立岡崎高校
“普通科”へのこだわりとハイレベルな研究活動の経験を両立させる

学校における位置付け
普通科ならではのSSHを目指す
 01年度、愛知県立岡崎高校では、SSH申請に向けて「普通科高校としてSSHをどう位置付けるか」というテーマで活発な議論がなされていた。SSH担当の青山伸一教頭は、研究開発初年度のOSSH校内実行委員会(“O”は岡崎高校の頭文字をとったもの)設立当初の議論を振り返る。
 「バランスの取れた全人教育を実践してきた本校にとって、SSHのような理科や数学に特化した教育に対する疑問の声はもちろんありました。しかしその一方で、新しい理科教育の必要性を本校の教師は感じ取っていました。“受験のための”理科、数学にとどまらず、生徒の知的好奇心を更に刺激し、独創性を育てるためにはどうすればよいのか。以前より高大連携を基盤にした『特色ある教育活動』を推進してきた本校では“普通科らしさ”を維持しながらその歴史を更に積み重ねるために、生徒に最先端の科学を体験させ、独創性を育てる指導方法を研究・開発しなければならないと考えていました。SSHはそんな本校の思いを実現するための手段だったのです」
 そこで考え出されたのが、
(1)学校設定教科「スーパーサイエンス授業」
(2)スーパーサイエンス特別課外活動
(3)部活動「スーパーサイエンス部」
(4)スーパーサイエンス特別講演会
という4本の柱である。
 中でも、最も“普通科らしい”取り組みが、「スーパーサイエンス授業」である。これは、大学教授が講義を担当するが、単なる「出前講義」ではなく、岡崎高校教師とのチームティーチング(04年度の主担当は岡崎高校教員)を原則とする1単位分の正規の授業である。SSH初年度の02年度入学生の場合、1年次は約400名全員、2・3年次は理型約200名全員が必修となる。
 岡崎高校では、この「スーパーサイエンス授業」をはじめすべての取り組みを、「高校主導型」で企画立案・推進している。岡崎高校の教師が、生徒の学力レベルや授業目標等について、大学教授と綿密に打ち合わせ、「最先端の学問に触れ、生徒の心を揺さぶる」プログラムを展開していくのだ。
 そして、取り組みの“目玉”とされるのが、「スーパーサイエンス特別課外活動」である。これは、高校の実験設備ではできない内容を大学での集中講義・実験で研究するもので、特別課外活動I(企業の研究所見学や2泊3日の大学での講義・実験等)と特別課外活動II(5泊6日の大学での研究室体験と課題研究及び研究論文作成)からなる少人数制のプログラムである。
 岡崎高校のSSH活動を俯瞰して、青山教頭は次のように語る。
 「本校のSSH事業は、選抜クラスのような限られた生徒集団の意識触発を狙うものではありません。スーパーサイエンス授業は、学年全員を大学レベルの学問に触れさせ、生徒の心を一斉に揺さぶる土台です。特別課外活動では、より興味・関心が高い生徒が最先端の学問の世界に飛び込み、意識触発しますが、同時に、その体験を持つ生徒が各クラスに存在することで、その生徒を中心とした『集団への波及』が誘発されるのです」
図表
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