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VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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CASE3 国公立大入試への意識付けを図る
『VIEW21』編集部ヒアリング結果より
図

(2)先輩の体験談
入試の中身は早めにチェックすべき
 僕は高校に入学した頃から第一志望大は九州大と決めていました。しかし、実際に入試科目や配点についてきちんと調べたのは高2の3学期になってからでした。センター試験で配点が高い科目や2次試験で課される科目を知っているかどうかで日々の勉強の取り組みも変わります。もっと早く入試の中身をチェックしていたら、受験生になって焦らなくて済んだと思います。
九州大・工学部合格/H先輩
苦手科目から逃げてはダメ
 英語が苦手だった私は、「英語で得点できないと入試で苦戦する」と頭では分かっていたのに、得意の国語や数学ばかり一生懸命勉強して、英語の対策はあと回しにしていました。でも、高3の秋になると、国語や数学の成績が伸び悩むようになり、得点力のアップのために英語を避けて通れないことにようやく気が付きました。先生が「苦手科目は得点力アップの源だ」と言った通りでした。
熊本大・教育学部合格/K先輩
いろいろな大学に目を向けよう
 進学先は地元の大学と、高校生になったときから僕は漠然と決めていました。でも、高3になってオープンキャンパスに参加したり、先輩に大学の様子を聞いたりするうちに、ほかの大学にも興味を持つようになったのです。大学案内を取り寄せて、学べる内容などを調べてみると、大学によって特徴はさまざまでした。本当に行きたい大学を探すのには結構時間がかかります。大学研究は高2のうちに済ませましょう。
早稲田大・教育学部合格/T先輩
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■入試科目を加えた合格者数一覧 Excelダウンロード(20KB)
データ作成・加工の POINT

特に1年次では、入試の意識を国公立大に向け、安易に科目を絞らないようにさせたい。(1)は合格者数一覧に入試科目を加えたものである。科目の必須・選択の違いや配点など詳細な情報は省いたとしても、「国公立大入試には5教科7科目が必要なんだ」という意識を持たせたい。できるだけ不得意科目をつくらず、すべての科目で頑張っていくという気持ちにさせる。その効果をサポートする機能として、卒業生の声を盛り込むのも一案だ。特に、生徒の関心を引くのは(2)の「体験談」だ。先輩の体験談の中でも失敗談は生徒に非常に効果的だ。成功談だけでは「自分には無縁」と思う生徒も、失敗談であれば「自分と同じかも知れない」と受け入れやすい。もちろん、先輩が努力によって苦手科目を克服した経験などはとても参考になる。

プラスαの一工夫
入試科目の見方を解説する
入試科目・配点を理解するために必要な情報を盛り込んでもよい。傾斜配点や配点比率といった国公立大入試の仕組みを理解し、対策を立てる上で重要となる入試用語について解説していく。
その大学・学部の対策のポイントを伝える
1、2年次では、入試科目や配点を見ても、そこから自分の入試対策の方針をすぐにイメージすることは簡単ではない。「この大学・学部はセンター試験、2次試験を通して数学の配点が高く、最重要科目である」「2次試験の英語では超長文が出題され、ここで点数の差がつきやすい」といった入試の特徴や対策のポイントを加えることで、データがいきいきとしたものになる。
各学年にマッチした体験談を収集しておく
「1年次にこうしておけばよかった」「2年の夏休みにこうしたから合格した」など、各学年にマッチした体験談が引き出せるように、卒業前にアンケートなどで各学年次の成功談・失敗談を収集しておきたい。

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