特集 「学校力」を考える(2)「学校経営力」を高める


京都府立南陽高校

◎2005年度に創立20周年を迎えた。京都府南部の関西文化学術研究都市に位置しており、周囲には大学や企業の研究施設が多い。その地理的条件を生かし、06年度にサイエンスリサーチ科を新設した。部活動ではなぎなた部や男子ソフトボール部が全国レベル。

設立●1986(昭和61)年

形態●全日制/普通科・サイエンスリサーチ科/共学

生徒数(1学年)●約320名

06年度進路実績●国公立大には、京都大、大阪大、神戸大、大阪市立大など、77名が合格。私立大には、早稲田大、同志社大、立命館大、関西大などに延べ546名が合格。

住所●京都府相楽郡木津町兜台6-2

TEL●0774-72-8730

WEB PAGE●http://www1.kyoto-
be.ne. jp/nannyou-hs/


蘆田尚嗣

▲京都府立南陽高校

蘆田尚嗣

Ashida Hisashi

教職歴24年目。南陽高校に赴任して18年目。企画研究部長。「将来の夢や目標を持った生徒を育てたい」

中西 伸

▲京都府立南陽高校

中西 伸

Nakanishi Nobu

教職歴24年目。南陽高校に赴任して7年目。教務部長。「入学時は幼かった生徒が成長していく姿を見るのが喜びです」

小畑順二

▲京都府立南陽高校

小畑順二

Obata Junji

教職歴22年目。南陽高校に赴任して5年目。進路指導部長。「生徒に悔いの残らない進路を実現させてあげたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例1】


京都府立南陽高校

ミドルを軸とした「戦略会議」で学校経営を主導する

京都府の公立高校入試制度の変更を機に、地域の中軸となる高校を
目指し、主任クラスが中心となって学校経営改革に乗り出した南陽高校。
今回は学校経営の戦略立案の機能に着目して、そのポイントを見ていく。

 2004年4月、京都府立南陽高校は一つの転機を迎えていた。京都府では、この年度の新入生から公立高校入試制度が変更となった。山城通学圏では学区による受験制限が緩和され、生徒がより自由に高校を選べるようになったのだ。
  そんな中、南陽高校には以前よりも学力レベルの高い生徒が入学するようになった。「過去の進学実績から考えて、南陽高校なら生徒の進路希望を実現してくれるはず」という期待が、これまでの学区を越えてより広い地域から集まったのだ。進路指導部長の小畑順二先生は、当時をこう振り返る。
  「入試制度変更以降、つまり今の3年生の入学時から、本校には学力の高い生徒が数多く入学するようになりました。本校は04年度まで国公立大の合格者数は70人台後半から80人台半ばを維持してきましたが、この変化をうまく生かすことができれば、国公立大の合格者数を3桁にまでアップさせ、学校の存在感を更に高められると考えたのです」
  南陽高校は単に進学実績のみを学校の強みにしようとは考えず、入試制度の変更を自校の「総合力」を高めるためのチャンスと捉えたのである。そして、図1のような学校経営計画を立てた。
  中学生とその保護者は、進路実績だけではなく、校風や学校行事、生徒指導など、さまざまな面を考慮しながら高校を選ぶ。こうした総合力で見たときに、魅力的な高校になるためにはどうすればよいのか。そのための戦略と行動を、入試制度の変更を機に展開しようとしたのだ。
  ここでは、南陽高校の戦略立案と実践を支える改革を軸に紹介する。

図1

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