特集 「学校力」を考える(2)「学校経営力」を高める

木岡一明

木岡一明

きおか・かずあき
国立教育政策研究所高等教育研究部総括研究官を経て、2006年度、現職に就任。編著に『わが校の「教育力」向上戦略No.3 学校の“組織マネジメント能力”の向上』(教育開発研究所)など。

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【実践のヒント】

学校の組織マネジメントとは

フラット型組織の対等関係を生かして創造性のある組織へ

名城大大学院
大学・学校づくり研究科教授
木岡一明

組織マネジメントというと、校長の役割と考えがちだ。
しかし、構成員が対等な関係にある学校組織では、
実はミドルリーダーが組織マネジメントの鍵を握っている。
学校が抱えている課題を発見し、解決に導いていくためには
ミドルはどのようなマネジメント力を発揮すればよいのだろうか

今の学校はフラット型組織の長所を生かしきれていない

―木岡先生は、学校ならではの経営、組織マネジメントの在り方をどのようなものとお考えですか。

木岡 学校はフラット型組織です。また、学校の性質からいって、フラット型組織の方が適していると考えます。ピラミッド型組織では上下関係が明確なので、知識・情報の伝授が上から下への一方通行になりがちです。しかし、学校では教師が協働して取り組むことがほとんどですし、そうした活動を通して成長することが求められていますから、ピラミッド型組織ではうまくいかないのです。ところが、今の学校はせっかくのフラット型組織の機能が、十分に発揮されていないと思います。

―どういうことでしょうか。

木岡 新しい価値の創造は、異なる人間が対等でありながら、互いに刺激を受け、ぶつかり合うことで可能になります。だからフラット型組織であることが条件になるわけです。
  しかし、今の学校、とりわけ高校は教科の専門性が非常に高いために、教科の枠を越えられず、教師間で相互不干渉の状態が発生しています。教科内の同質の教師だけでは新しい価値を創造することは難しいのです。そのため、教科の枠組みを越えた取り組みがどれだけ実現できるかが、新しい価値を生み出せるかどうかのポイントだと思います。


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