生きたデータの見せ方・つくり方 3年生2学期の意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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CASE2 模試結果に一喜一憂させない
『VIEW21』編集部ヒアリング結果より
図3,4
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■先輩の9月マーク模試の得点と実際の合格大 Excelダウンロード(19KB)
データ作成・加工の POINT
この時期から、生徒は模試の成績に一喜一憂するようになる。特に、9月のマーク模試のセンター試験予想得点などは、伸び悩んでいる生徒にとって志望校を変更するきっかけとなることがある。そこで、(3)のように合格者の9月マーク模試の得点と実際の合格大一覧を提示する。この時期の成績が低くても志望大に合格している先輩もいれば、逆の先輩もいることを示し、模試成績に一喜一憂せずに第1志望を貫く気持ちを持たせたい。なお、生徒には単回の模試結果だけ見るのではなく、(4)のように過回で、教科・分野別に学力の定着度を確認することが重要であることも説明したい。一見、伸び悩んでいる生徒も、着実に理解ができている分野、克服できつつある苦手分野などが見つかり、学習の更なる意欲向上が期待できる。もちろん、理解が不十分な分野の具体的な学習ポイントも明示できる。
プラスαの一工夫
「自分の伸びしろ」を生徒に示す
この時期、成績が停滞、下降している生徒へのフォローが非常に重要になってくる。合否判定に過剰反応する生徒には、「自分の伸びしろ」を自ら発見し、志望大合格に向けて、具体的にどう伸ばしていけばよいのかをアドバイスしたい。模試結果や答案を見ながら「もしもケアレスミスがなかったら何点アップしたか」「苦手分野を少しでも克服すれば何点アップできそうか」などを生徒と確認し、「伸びしろをプラスしたら十分勝負できるのではないか」などと話をしてはどうだろう。模試の結果に左右され安易に志望大を変更することなく、じっくりと学習に取り組むことが大切であると強調したい。
教師の集団力があれば生徒を多角的に支援できる
生徒は教師の言葉一つで奮起したり、冷静になったりすることが少なくない。客観的なデータ分析結果に基づき、いかに心に届く言葉を生徒に投げかけていくかが非常に重要だ。学年団・教科団で生徒の成績データを多面的に分析し、どの生徒にはどのデータを、どんな言葉を添えてフィードバックすれば効果的かを考えたい。こうした活動は、生徒個々の指導にも有用であるが、クラスや学年という集団の推進力を生む上でも意義深い取り組みといえる。

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