SELHi指定校アンケートより SELHiに見る英語指導の事例集
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SELHiに見る英語指導の事例集
Tips on English teaching

SELHiデータベースではSELHi全校を紹介している。この中から、取り組み事例の一部を紹介する。SELHiという環境を生かして、各校はこれまでとは異なる技法も取り入れながら指導に取り組んでいる。取り組みの全体像とその詳細などはSELHiデータベース内の情報を参照いただきたい。

SELHiデータベースでは、指導で重点を置く技能から検索できる「技能別検索」と、特定のSELHi校の取り組みを検索できる「都道府県別検索」の2つの検索メニューを用意しています。
R:Reading L:Listening W:Writing S:Speaking
読む Reading

*オールイングリッシュを成立させる教材を選ぶ

 従来の英語指導は、文法のルールを教えてから読解するという流れだったが、とにかくたくさん読んで、英語を使ってからルールを学んでいくという流れをとった。テキストは1年次は『BASIC READING POWER』、2年次は『READING POWER』(Longman)を使用。分からない単語も一文に5、6語程度なので速読にも適しており、また、オールイングリッシュでの授業展開も可能である。このように信頼できるテキストを探すことも重要なポイントである。
  3年次はテキストから離れ、1、2年次で身に付けたスキルを実際に生の英文素材で使わせていく。使用している材料は多岐にわたり、アメリカの小学校で使っている教科書や、推理小説、詩、レシピ、シェイクスピアなどである。推理小説は題材としては面白く、生徒の関心を引き付けることができるが、内容が高度なためにどうしても日本語を介在しなくてはならず、それまで授業をオールイングリッシュで進めてきた教師、生徒共に違和感を感じることになる。日本語を介在しなくてもよい素材を選ぶことも大切である。
【指導で重点を置く技能 融合・その他融合より

*国語科と連携した読み方の指導を実施

 英語科、国語科の両教科でインタラクティブリーディングを実施した。はじめは日本語と英語共通の教材(天声人語)を使用。日本語も英語も筆者の主張があり、その主張をサポートするための文があること、その文章展開を理解すること、また全体把握のための要約の仕方は同じようにできるのだということを生徒に理解させた。この作業に慣れたころから、普段使用しているテキストへ移行し、更には各大学の入試問題も用いた。

■現代文の授業 天声人語の文章を読解し、文章のキーワード、キーセンテンスを見つけ、文章の要約(150語程度)を行った。キーワード、キーセンテンスの抜き出し方や、要約の仕方は、現代文の授業で一通り学習する。要約後、自分たちの書いた要約の点検をグループで行い、それからクラス全体に向かって発表した。

■英語の授業 天声人語の教材に関しては、現代文での授業の1週間後くらいに、英語で書かれた同じ題材の天声人語を読解し、同様にキーワードなどの抜き出しを行った。文章全体の流れを把握するために、フローチャートあるいはテキストマッピングを用い、文章を図式化することで文章全体の構図を認識するだけでなく、文と文、段落と段落のつながりの理解、文章が論理的に展開されていることを認識させた。

  英語の授業では、基本的には日本語で要約を行うが、時には英語での要約も行わせる。その後まず要約の確認をクラス全体で行う。そして、テキストをできるだけ見ずに、自分でまとめたテキストマッピングやフローチャートを見ながら、本文の流れを日本語、英語の順番で説明させる。説明は、まずペアワークで行い、最終的にはクラスの前で発表させるという形を取った。教科書の題材でも同じような流れで行った。
【指導で重点を置く技能 融合・RW融合型より


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