1.各年度の取組
【平成14年度】 1. ライティングの継続的な指導 趣味や将来の夢、色の好みなど身近な話題からスタートした。TOEFLのライティングの実例を示し評価させてライティングのコツを理解させた。9割以上の生徒が、ライティングにより英語の力が高まると考え、7割以上が自主的な学習に意欲を見せた。 2. パラグラフの形式・論理マーカーの指導 パラグラフの形式、論理マーカーに焦点を当てた指導を行った。ディベートで用いられるような明確に自分の意見を述べるテーマで、まず自由にライティングさせた後、パラグラフの構造や論理マーカーについて指導を行い、書き直させた。この指導によって、ライティングに対する自信は有意に上昇した。 【平成15年度】 3. ライティングからスピーキングへつなげる活動 スピーチ原稿を書かせ、原稿から選んだ20語の単語リストを参照しながらスピーチさせた。rehearsed speechからunrehearsed speechへの橋渡し的な活動と考えている。アンケートでは、8割の生徒が「力のつく活動である」と評価した。2学期には、20語のキーワードリストが役に立たないという声を聞いたので、50語に増やしたところ、「50語のキーワードは有効か?」のアンケートで35%が「はい」、41%が「ややはい」と答え、有効であることが分かった。 【平成16年度】 4. ライティングからスピーキングへつなげる活動 平成15年度のライティングからスピーキングへつなげる活動を継続し、4月下旬と11月下旬にイギリスのナショナルカリキュラムのattainment targetを利用したスピーキングテストを実施し、平均で5.00から5.59へとスピーキング力が向上した。しかし、同時に行ったスピーキングへの自信に関する調査では、変化が見られなかった。この点について、再度自由記述のアンケートを行ったところ、「機会が十分ではなかった」「テーマが難しくて話せなかった」「緊張してしまう」「失敗して自信がなくなった」などの理由が挙げられた。十分な機会と適切なテーマが今後の課題であると思われる。
2.他校への適用 ライティングに利用する言語材料をインプットすることは不可欠であるが、ひとつの科目の中では、十分な時間が見出せないかもしれない。本校では、「英語理解」でインプットした内容を基にライティングを行った。作者に手紙を書くなどの設定が有効である。 キーワードリストを作成して、手元に限られた情報を持ってのスピーキングは、rehearsedなスピーキングからunrehearsedなスピーキングへの橋渡し的な活動として有効である。 3.補足 本校の仮説は、「論理的なライティングの力がスピーキング力にも転移する」というものですが、この転移を検証することは難しいことが分かりました。そこで「ライティング(80〜120語)をさせその内容を単語リスト(20語)だけを見ながらスピーチする活動を一定期間継続して行い、その前後でスピーキング能力を測定する」という取組を行いました。上記発表を、ネイティブ・スピーカーへの1対1の対話形式としました。スピーキング能力については、イギリスのナショナルカリキュラムのattainment targetを利用し、ALTなどのネイティブ・スピーカーに判定してもらいました。スピーキング能力の判定は正確には行えないと思われますが、生徒のスピーキングのビデオを見ながら基準を統一する努力をしました。 ライティングのテーマは、生徒が学んだことを活かせるように、「英語理解」等の学習内容に基づいたものにしています。読書感想文、著者・登場人物への手紙というような設定をしています。また、修学旅行先の沖縄での平和学習についても書かせました。 Polestar Reading Course Lesson 5 Barrier-Free Heartsの読書感想文 乙武 洋匡著『五体不満足』の一部。夏休みの宿題になったものをrewriteさせました。自由に書かせたものを、トピックセンテンスを書いて、100語にまとめさせました。 Crown English Course II Lesson 3 Crossing the Border 日本人初の「国境なき医師団」メンバー貫戸朋子さんの経験を描いたレッスン。貫戸さんへの手紙を書かせました。本文中の一部を引用し、その部分で感じたことを100語程度で書かせました。 沖縄修学旅行での平和学習の感想文(今回のスピーチの内容) ガマでの体験、ガイドさんの話の内容、平和祈念資料館で見たものの中から1つを選び、自分の感じたこと、考えたことを書かせました。平和学習の内容が素晴らしかったので急遽トピックに加えました。
2.他校への適用 ライティングに利用する言語材料をインプットすることは不可欠であるが、ひとつの科目の中では、十分な時間が見出せないかもしれない。本校では、「英語理解」でインプットした内容を基にライティングを行った。作者に手紙を書くなどの設定が有効である。 キーワードリストを作成して、手元に限られた情報を持ってのスピーキングは、rehearsedなスピーキングからunrehearsedなスピーキングへの橋渡し的な活動として有効である。 3.補足 本校の仮説は、「論理的なライティングの力がスピーキング力にも転移する」というものですが、この転移を検証することは難しいことが分かりました。そこで「ライティング(80〜120語)をさせその内容を単語リスト(20語)だけを見ながらスピーチする活動を一定期間継続して行い、その前後でスピーキング能力を測定する」という取組を行いました。上記発表を、ネイティブ・スピーカーへの1対1の対話形式としました。スピーキング能力については、イギリスのナショナルカリキュラムのattainment targetを利用し、ALTなどのネイティブ・スピーカーに判定してもらいました。スピーキング能力の判定は正確には行えないと思われますが、生徒のスピーキングのビデオを見ながら基準を統一する努力をしました。 ライティングのテーマは、生徒が学んだことを活かせるように、「英語理解」等の学習内容に基づいたものにしています。読書感想文、著者・登場人物への手紙というような設定をしています。また、修学旅行先の沖縄での平和学習についても書かせました。
1. 平成16年度の実践 平成14年度、15年度に渡って準備した内容を有効に活用するため、シラバスをより詳細なものにした。シラバスの章立ては、1.到達目標、2.教科書、3.年間学習内容、4.指導方法、5.評価法、6.他教科との連携とし、年度当初生徒に配布し、周知徹底した。 2. 学習計画の構成 実際に英語を使用する場面を5つ想定し、年間の学習計画の柱とした。 想定1 韓国の高校生に日本の若者文化を語る。 想定2 ケニアの小学生に日本紹介のメールを送る。 想定3 在日外国人に日本の生活習慣を教える。 想定4 ドイツ人観光客に日本滞在中にしか体験できないことを紹介する。 想定5 北京の「日本デー」で、「日本文化と私」と題するスピーチをする。 想定1、2、4は想像上の場面設定であり、ロール・プレイを行った。想定3では、実際に学校に在日外国人を招請し、情報提供者およびスキットの相手役として授業に参加してもらった。想定5では、スピーチの聴衆として、中国人留学生5人を招請した。 3. 授業の基本形態 ウォーム・アップ:聴取や発話をして、英語モードへ自然に移行させることを目的とする。 英語表現の仕込み作業:テキスト、巽一朗編『英語で「日本のこと」話そう』(宝島社)にある250ほどの基本例文を、通訳訓練法などを用いて自分のものにする。手持ち表現を豊かにすることが目的である。 授業内発表:学んだ表現を、即時、ペアワーク、グループワークでアウトプットを行う。クラス全体への発表等の形をとって、実際に使ってみる。 家庭学習:授業で使った表現をもとに英文を作成する。
1. 平成16年度の実践 平成14年度、15年度に渡って準備した内容を有効に活用するため、シラバスをより詳細なものにした。シラバスの章立ては、1.到達目標、2.教科書、3.年間学習内容、4.指導方法、5.評価法、6.他教科との連携とし、年度当初生徒に配布し、周知徹底した。 2. 学習計画の構成 実際に英語を使用する場面を5つ想定し、年間の学習計画の柱とした。 想定1 韓国の高校生に日本の若者文化を語る。 想定2 ケニアの小学生に日本紹介のメールを送る。 想定3 在日外国人に日本の生活習慣を教える。 想定4 ドイツ人観光客に日本滞在中にしか体験できないことを紹介する。 想定5 北京の「日本デー」で、「日本文化と私」と題するスピーチをする。 想定1、2、4は想像上の場面設定であり、ロール・プレイを行った。想定3では、実際に学校に在日外国人を招請し、情報提供者およびスキットの相手役として授業に参加してもらった。想定5では、スピーチの聴衆として、中国人留学生5人を招請した。
3. 授業の基本形態 ウォーム・アップ:聴取や発話をして、英語モードへ自然に移行させることを目的とする。 英語表現の仕込み作業:テキスト、巽一朗編『英語で「日本のこと」話そう』(宝島社)にある250ほどの基本例文を、通訳訓練法などを用いて自分のものにする。手持ち表現を豊かにすることが目的である。 授業内発表:学んだ表現を、即時、ペアワーク、グループワークでアウトプットを行う。クラス全体への発表等の形をとって、実際に使ってみる。 家庭学習:授業で使った表現をもとに英文を作成する。