特集 「多様化」する保護者にどう対応するか

徳島県立池田高校

◎知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな生徒を育てる。2006年度に文部科学省の学力向上拠点形成事業の指定を受ける。レスリング部や山岳部が全国上位入賞を果たすほか、サイエンス部が日本学生科学賞の優秀賞を受賞した。

設立●1922(大正11)年

形態●全日制・定時制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約215名

07年度進路実績●国公立大には、九州大、広島大、岡山大、徳島大、高知大、愛媛大など45名が合格。私立大には、早稲田大、青山学院大、明治大、同志社大、立命館大、関西大、近畿大、同志社女子大など延べ135名が合格

住所●徳島県三好市池田町ウエノ2834

TEL●0883-72-1280

WEB PAGE●http://www.
ikeda-hs.tokushima-ec.ed.jp/


宇山孝人

▲徳島県立池田高校校長

宇山孝人

Uyama Takahito

教職歴36年目。同校に赴任して1年目。「玉磨かざれば光なし。生徒・教師が共に努力し学校を輝かせたい」

杉浦哲也

▲徳島県立池田高校教頭

杉浦哲也

Sugiura Tetsuya

教職歴33年目。同校に赴任して1年目。「日本を知り、グローバルなものの見方のできる生徒を育てていきたい」

前田 茂

▲徳島県立池田高校

前田 茂

Maeda Shigeru

教職歴22年目。同校に赴任して7年目。教務主任。「教育の質を高めるためには試行錯誤することが大切」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【実践と課題・4】

徳島県立池田高校

「保護者用シラバス」で 学校の方針への理解を深める

低学年から入試に対する意識を高めることは、進学実績を向上させる上で重要だ。しかし、近隣校との競争が少ない学校では、生徒の入試へのスタートは遅れがちだ。徳島県立池田高校では早期からの生徒の意識付けに着手すると同時に、保護者の意識改革にも力を入れている。

のんびりとした雰囲気が入試へのスタートを遅らせる

 周囲を豊かな山々に囲まれた池田町の中心部に、池田高校がある。こうした環境の中、同校には素直で純朴な生徒が多く、大学入試に向けたスタートが都市部の生徒に比べてやや遅れがちだ。教務主任の前田茂先生によると、こうした傾向は学校全体の課題という。ただ同校の場合、進学先が県内であっても自宅からは通学しにくいため、進路選択では全国の大学に目を向けやすい。そのため、進路指導の重要性に理解を示す保護者が多いという。「しかし」と、前田先生は次のように言葉をつなぐ。
 「本校の近隣では学校数が限られ、比較の対象が少ないため、早くから大学入試を意識させるのが難しい状況です。しかし、AO入試の普及などで大学入試は早期化し、都市部の高校は速いペースで学習を進めています。こうした現状を保護者にも理解してもらうことが、生徒が受験に向けて早めにスタートを切るうえでも大切だと考えています」
 一方、自分の子どもと同世代の高校生の考えに興味を持つ保護者が増えているという。池田町のある県西部では少子化が進んでおり、同世代の子どもに関する情報を得るのが難しい状況だ。「多感な年ごろの子どもを育てていく中で、不安を抱える保護者は少なくありません。参考になる情報を、学校や同世代の子どもを持つ保護者に求める傾向が、強くなっているようです」と前田先生は分析する。

保護者の傾向

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