データが語る高校の実像 本・新聞とのかかわり
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データが語る高校の実像 9
ベネッセ教育研究開発センターの調査から高校生の姿を浮き彫りにする

本・新聞とのかかわり

現在の高校生は本や新聞をどのくらい読んでいるのか。1990年から継続的に行っている『学習基本調査』の結果より報告する。

学校段階が進むほど読書をしなくなる

 読書習慣など、いわゆる日常生活での「学習」に関する質問は、1990年、2001年、2006年に行っている。そのうち、「自然や動物・植物の本を読む」「歴史小説や歴史の本を読む」「文学作品や小説・物語を読む」について、小学生、中学生、高校生の時系列での変化を図1に示した。小学生では本を読む割合(「よくする」と「時々する」の合計)が高く、中学生と高校生では低いという傾向は1990年から継続して見られ、学校段階が進むほど本を読まなくなる様子がうかがえる。
 「文学作品や小説・物語を読む」は2回分の比較しかできないものの、すべての学校段階で増加しており、高校生も52.7%と5割を超える結果となった。「高校生の活字離れ」が進んでいるといわれるが、ジャンルによって傾向が異なることが確認できる。


図1

「新聞のニュース欄を読む」は更に減少傾向

 一方、「新聞のニュース欄を読む」高校 生は減少が継続しており、2006年では小中学生をわずかに数ポイント程度上回っているにすぎない(図2)。
 これは、単に高校生の社会に対する関心の低下と見るだけでなく、インターネットや携帯電話などの通信手段の普及にも注目したい。図3は家庭でのパソコンとインターネットの利用率を示した。高校生の情報入手元としてインターネットや携帯電話が一般化したことが、相対的な「紙メディア離れ」を引き起こしていると考えられる。


図2
出典●『第4回 学習基本調査・国内調査報告書』/調査時期●2006年6〜7月実施/調査方法●学校通しの質問紙による自記式調査/調査対象●小学5年生、中学2年生、普通科に通う高校2年生/サンプル数(高校生)●第1回:2,005名、第2回:2,615名、第3回:3,808名、第4回:4,464名/サンプル数(中学生)●第1回:2,544名、第3回:2,503名、第4回:2,371名/サンプル数(小学生)●第1回:2,578名、第3回:2,402名、第4回:2,726名/抽出方法●全国4地域〔東京都内、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部〕より有意抽出した同一校に継続的に調査を依頼している。そのため、数値は全国的な平均値を示すものではない。

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