生きたデータの見せ方・つくり方 粘り強さを育む3年生2学期の意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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目標2 粘り強く受験に向かっていく集団をつくる
『VIEW21』編集部ヒアリング結果より
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図2、3
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■センター試験の平均点により合否状況が影響されることを理解させる資料 Excelダウンロード(23KB)
■過年度の生徒のマーク模試成績推移 Excelダウンロード(24KB)
データ作成・加工の POINT
この時期のクラスづくりの主眼は、目標の実現に向けて最後まで粘り強く取り組む生徒集団に育てていくことであることは言うまでもない。模試の結果に一喜一憂せず、また過去の入試データを表面的に捉えることがないよう、入試動向への最低限の理解が必要だ。まずはベネッセの入試結果調査を利用して作成した(2)を示し、国公立大・私立大入試とも、その年度のセンター試験の平均点の動向に、合否状況も影響されるということを理解させ、センター試験の難易度にかかわらず、最後まで頑張り抜く必要性を訴える。また卒業生のマーク模試成績推移を示した(3)で、先輩の学年の平均点動向や、成績上昇の要因を紹介する。その上で2学期以降も、学校の指導に沿った着実な勉強に粘り強く取り組むことで志望実現の可能性が高くなることを強調したい。
プラスαの一工夫
当たり前のことを普段通りにやらせる
クラスの仲間と励まし合い、切磋琢磨して、互いに戦い抜いていく気運を高める集団となっていくように仕掛けるのが、3年生2学期のクラス経営のポイントとなる。推薦入試合格者や専門学校合格者、就職内定者と、一般入試受験者との間に溝ができ、クラスのムードが二分されることは避けたい。進路が決まった者はこれから入試を戦う者を応援し、「互いの進路を実現する環境」を整えることが肝要だ。クラス全体に「まだ戦っている最中」の緊張感を維持するためにも、進路決定者に対する課題の提示、遅刻・欠席の指導や身だしなみのチェック、清掃の取り組みなどを、これまで通りやり続けることが重要だ。学びの空間の整備は様々な仕掛けの基盤である。
「受験は団体戦」を教師にも適用する
「受験は団体戦」とよく言われるが、これは生徒だけでなく、教師側の団結力を喚起するスローガンと捉えたい。進路指導上の情報交換会や入試問題の勉強会などを開くのはもちろん、生徒の授業中の言動など、些細な変化も共有できるよう、常日ごろからの教師同士のコミュニケーションが重要になる。それが、生徒にとっては「先生全員が見守ってくれている」という安心感につながるはずだ。

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