生きたデータの見せ方・つくり方 1年生を高校生にする意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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目標2 3年間の高校生活の流れを俯瞰させる
『VIEW21』編集部ヒアリング結果より
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図2
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■進路ストーリー(学校生活の流れとポイント) Excelダウンロード(41KB)
データ作成・加工の POINT
中学生と高校生の違いと、修正すべき生活・学習スタイルを具体的に理解させたあとは、それを3年間の高校生活の中でどのように実践していくべきかを理解させたい。(2)は新入生が3年間の進路ストーリーを時系列で把握できるようにスケジュール表形式で提示したものである。進路指導を中心とした学校行事と、学力把握のための模試の予定、そして「それぞれの時期をどう過ごすべきだったか」を語る先輩の声で構成する。このような資料を使って3年間の高校生活を俯瞰させると共に、高校での生活のリズムを習得し、学習習慣を定着させるためには、高校1年生の夏までの過ごし方が重要だということを生徒に気づかせたい。「進路選択や入試はまだ先のこと」「高2になってからでも間に合う」といった生徒の先送り意識を変える指導となるはずだ。また、新年度の保護者会資料としても活用できる。
プラスαの一工夫
進路ストーリー表を生徒に完成させる
(2)の進路ストーリー表に意図的に空欄を設けておき、LHRを活用して生徒自身に完成させるという方法も考えられる。例えば、「先輩の声」のいくつかをあらかじめ空欄にしておき、そこに入る「声」を別紙に掲げ、そこから生徒に選ばせる。進路ストーリー表を完成させる作業を通して、「高校3年間を振り返ると、高1の1学期の過ごし方が重要だと思った」という先輩の声の多いことを実感させる。また、達成度など自己評価を毎月記入させることで、定期的に「今」という時期の重要性を確認させることができる。資料づくりなどの活動を好む新入生の特性を生かした指導を工夫したい。
行事や模試の意義を教師が自筆で記入する
進路ストーリー表が生徒の心に届くメッセージとなるように、行事や試験の意義と目標を書き込むスペースを設け、担任としての思いを手書きで書き添えて配付するのも一つの方法だ。さまざまな行事、模試などをただこなしていくだけでは、その取り組みが形骸化したものになりかねない。教師一人ひとりがそれぞれの行事や試験の意義を自分の言葉で表し、それを生徒にぶつけることで、このような資料は更に効果を発揮することになるだろう。

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