データで見る中学校 「心がけている授業方法」は教科によって大きな差
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データで見る中学校 vol.5

「心がけている授業方法」は教科によって大きな差

ベネッセ教育研究開発センター「第4回学習指導基本調査」より

中学校の授業方法は基本的な知識重視

 中学校での教科指導はどのように変化しているのだろうか。4月号では「中学校教師の意識は、学力向上重視に変化している」こと、更に6月号では学力向上重視に伴って、「家庭学習指導や宿題の頻度が増えている」と紹介した。12月号では、ベネッセ教育研究開発センターが中学校教師を対象に行った「第4回学習指導基本調査」の結果から、授業における変化を取り上げる。
 図1は、心がけている授業方法について2002年調査と07年調査を比較したものだ。 「小テストの実施」「自作プリントを使った授業」「教科書にそった授業」が、それぞれ4ポイント以上増えている。一方で、「表現活動を取り入れた授業」や「自分で調べることを取り入れた授業」は、7ポイント以上減少している。中学校の教師は、基本的な知識の習得を重視した授業を意識する傾向が強まっている。


図1

国語、数学では反復練習 社会、理科は体験重視

 ただし、教科によって心がけている授業方法が大きく異なっている。図2は心がけている授業方法を教科別に示したものだ。
 「計算や漢字などの反復的な練習」は、国語、数学、外国語の教師が特に意識している。ところが、理科や社会ではこれらを意識する教師は少なく、「体験することを取り入れた授業」「自分で調べることを取り入れた授業」を重視している。
 高校でも同様だが、教科・科目特性によって授業方法には差がある。中学から高校へのスムーズな接続には、中学時代にどのような授業を受けていたのか、教科別に把握することが重要といえるだろう。


図2
出典◎『第4回学習指導基本調査』/調査時期◎02年調査:2002年9〜10月、07年調査:07年8〜9月実施/調査方法◎07年調査:郵送法による質問紙調査、02年調査:学校通しによる質問紙調査/調査対象◎公立中学校の教員02年調査:3,388名、07年調査:2,109名/抽出方法◎02年調査:北海道・岩手県・宮城県・新潟県・石川県・群馬県・東京都・山梨県・愛知県・大阪府・兵庫県・岡山県・福岡県・熊本県、07年調査:全国の公立中学校のリストより、都道府県の教員数に応じた抽出確率で無作為に学校を抽出。*国語・社会・数学・理科・外国語のいずれかを担当している教員を抽出して分析した

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