指導変革の軌跡 岩手県立西和賀高校
岩手県立西和賀高校

岩手県立西和賀高校

◎「自主独立の道行かん」を校訓とし、生徒一人ひとりを大切にし、地域活性化に貢献する学校を目指す。近年、進路指導を強化し、2009年度入試では国公立大進学者10人を達成。08年度にボート部が高校総体、東北ボート選手権大会で準決勝進出、09年度に吹奏楽部が25年ぶりに県大会に出場した。

設立●1949(昭和24)年

形態●全日制/普通科(普通コース、福祉・情報コース)/共学

生徒数(1学年)●約160名

09年度進路実績●国公立大は、弘前大、岩手大、山形大、福島大、岩手県立大、秋田県立大、都留文科大に計10人が合格。私立大は青森大、仙台大、仙台白百合女子大、白百合女子大、法政大などに延べ10人が合格。

住所●〒029-5503 岩手県和賀郡西和賀町湯田19-25-2

TEL●0197-84-2809

WEB PAGE●http://www2.
iwate-ed.jp/nwg-h/


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指導変革の軌跡129


岩手県立西和賀(にしわが)高校 「進路指導改革」

地元志向を高め
生徒の進路実現と地域活性化を目指す

変革のステップ
背景(STEP1)
実践(STEP2)
成果(STEP3)
◎恒常的な定員割れを解決するため、隣接地域への広報活動に力を入れたが、多様な生徒が入学し生徒指導に困難を来す
◎習熟度別の「分かる授業」や、地域の仕事や魅力を学ぶ進路指導を積極的に取り入れ、卒業後の進路を意識させる
◎生徒の問題行動や不登校が激減。国公立大合格者、地域への就職者も増加するなど、進路指導面でも顕著な実績を上げる

過疎化と少子化で定員割れが恒常化

 岩手県西和賀(にしわが)町(2005年に和賀郡湯田町と沢内村が合併)は、岩手県と秋田県の県境に位置する、人口7000人ほどの小さな町だ。国の自然環境保全地域や国定公園に囲まれた豊かな自然、温泉や特産品などの観光資源に恵まれ、日本で初めて乳児死亡率ゼロを達成するなど福祉・保健の町としても知られる。半面、日本有数の豪雪地帯であり、市街地へ出るには車で1時間以上かかる地域だ。
 地域唯一の高校である岩手県立西和賀高校は、過疎と少子化の影響で、長い間、定員割れに悩まされてきた。1990年代前半からは積極的に生徒の確保に乗り出し、95年度には普通科に「福祉・情報コース」を新設して特色化を進めてきたが、すぐには生徒の増加に結び付かなかった。
 そこで、01年度、当時の校長が隣接する地域の中学校にも広報活動を行った。ところが、広域から多様な生徒が集まり、中学時代に勉強についていけなかったり、不登校に悩まされたりといった、指導困難な生徒も入学するようになった。
 恒常的な定員割れや生徒の多様化、急激に変わっていった学校環境への対応が喫緊の課題となった。

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