特集)学力下位層の拡大にどう向き合うか

広島県立広高校

敬虔・自律・友愛」を校訓として、「旧き良き教育」を目指す。「文武両道」を校是としており、生徒の9割が部活動に加入。2003年度から広島県の「進学指導重点校」、09年度には「チャレンジハイスクール」に指定されている。

設立●1942(昭和17)年

形態●全日制・定時制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約200人

09年度入試合格実績(現浪計)●国公立大は、京都大2人、大阪大3人、岡山大2人、広島大21人、九州大1人など計85人が合格。私立大は、同志社大、立命館大、関西大、関西学院大などに延べ281人が合格。

住所●〒737-0141  広島県呉市広大新開3-6-44

TEL●0823-72-6211

WEB PAGE●http://www.
hiro-h.hiroshima-c.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例3】広島県立広高校

各学力層に対応した指導で
国公立大合格率50%を目指す

広島県立広高校の課題は、2年生以降の学力層の拡大だ。成績中位層を中心に据え、上位層には個別添削、下位層には指名補習を行う。面談や進路検討会などを通して、下位層となるのを食い止め、上位層への引き上げを図る。

2年生での学力層の拡大と下位層の固定化

 広島県立広高校は、県南西部に位置する呉市を代表する進学校だ。1942年開校の呉第三中学校を母体とし、呉三津田高校(旧呉一中)、呉宮原高校(旧呉二中)と共に「呉三高」と呼ばれている。
 学力層の拡大は、そうした同校にとっても大きな課題だ。特に、年次進行に伴い、学力層が拡大していくことが、問題となっている。1年生の7月模試までは成績上位層と下位層の間に大きな開きはないものの、2年生になり教科の内容が難しくなるにつれて、学力差が広がっていく。その傾向が顕著なのは、数学だ。教務主任の酒井義彦先生は、次のように話す。
 「1年生では知識と理解だけでも何とか授業についてこられるのですが、2年生になり、論理的思考力や数学的な考え方などが求められるようになると、途端に挫折する生徒が増えます。そして、一度、成績下位層に定着してしまうと『どうせ勉強しても出来ない』という思いにとらわれ、はい上がることが難しくなるのです」
 同校は「文武両道」を校是とし、部活動加入率は9割を超える。部活動に力を入れたいがために同校を選ぶ生徒も多く、部活動と勉強との両立がおろそかになるケースもある。
  「『本校への入学がゴール』という意識の生徒も多いのが現状です。1年生では教科の内容はそれほど難しくないので、『高校の勉強はこんなものか』と思うのかもしれません。高校での勉強を甘く見させないよう、導入期に我々教師が働き掛けていくことが重要だと考えています」と、酒井先生は述べる。
2009年度3年生の1,2年次の学力層別割合の推移(スタディサポートの結果より)

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