第2節 大学生の生活実態
1週間を通しての通学日数、大学で過ごす時間
大学生の1週間を通しての通学日数の平均は4.4日で、また1週間を通して大学で過ごす時間の平均は25.1時間、通学日数の平均で割ると1日あたり5.7時間過ごしているという結果になった。また学年が進むにつれて通学日数・大学で過ごす時間ともに減少する傾向がみられた。
●あなたは1週間のうち、だいたい何日大学に通っていますか。
●1週間を通して大学で過ごす時間の合計をお答えください。
●1週間を通して大学で過ごす時間の合計をお答えください。
現在の大学生は、ふだん大学にどのくらい通い、どのくらいの時間を大学で過ごしているのだろうか。表2-2-1に1週間を通しての通学日数の平均と分布状況を示したが、まず全体平均で4.4日大学に通学しているという結果となった。さらに学年別の平均をみると1年生5.0日>2年生4.9日>3年生4.5日>4年生3.5日と、学年が進むにつれて通学日数は減少し、1年生と4年生では平均で1.5日の差が生じている。通学日数の分布状況をみてみると、「5日」は1年生で69.1%、2年生で61.5%と6割以上回答しているが、4年生では28.3%にとどまる。4年生では「1日」とする回答が15.8%と全体に比べ11.5ポイント高い。
次に1週間を通して大学で過ごす時間について、表2-2-2でその平均と分布状況を全体と学年別に示した。まず全体の平均時間は25.1時間であり、先の通学日数の平均で割ると1日あたり5.7時間を大学で過ごしている計算になる。さらに大学で過ごす時間の平均を学年別にみると、通学日数と同様に学年が進むにつれて減少する傾向にあり、4年生では19.1時間と、全体に比べ6.0時間少ない。また分布状況をみると4年生では「5時間以下」が24.6%、「10時間以下」が21.3%であり、これらを合わせると4年生のうちほぼ半数近くが1週間を通して大学で過ごす時間が10時間以下であることが確認できる。
このような大学4年生の通学日数や大学で過ごす時間が少ない背景として、すでに卒業に必要な単位をほとんど取得している学生の存在や就職活動の早期化・長期化による就職活動での拘束時間の増加などが考えられる。特に就職活動の早期化・長期化の問題は、学業への悪影響が指摘されている*1だけに、今後関連する社会情勢と合わせて検証していく必要がある。
次に学部系統別での1週間を通しての通学日数の平均と分布状況を表2-2-3に示した。分布状況をみると通学日数の「5日」で、「保健その他」(76.3%)、「農水産」(66.4%)、「理工」(64.5%)が全体(51.7%)と比べ10ポイント以上高い。
次に学部系統別での1週間を通しての通学日数の平均と分布状況を表2-2-3に示した。分布状況をみると通学日数の「5日」で、「保健その他」(76.3%)、「農水産」(66.4%)、「理工」(64.5%)が全体(51.7%)と比べ10ポイント以上高い。
さらに学部系統別に、1週間を通して大学で過ごす時間の平均と分布状況を表2-2-4に示した。まず平均に注目すると、「保健その他」(34.0時間)と「農水産」(33.2時間)が全体平均の25.1時間と比べ8時間以上多い。「保健その他」の1週間を通して大学で過ごす時間の平均を通学日数の平均で割ると1日あたり6.8時間であり、全体での同様の計算結果の5.7時間に比べ1.1時間長い。これらのことから「保健その他」や「農水産」では、1週間を通しての通学日数や大学で過ごす時間、さらには1日あたりの大学で過ごす時間が多く、授業・研究など正課での活動時間が他の学部系統と比べて長いことが考えられる。