ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

教育費

教育費 〜第1回〜

第1回

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  1. 私立の学習費は公立の2.0〜2.7倍
  2. 小6で、塾と習いごとが逆転
  3. 中学は公立、高校は私立が高い学習塾費
  4. 高校卒業まで、公立で484万3千円

第2回

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教育費捻出のため旅行、外食を節約 4分の1の親が学生卒業後も経済援助 国立・自宅生105万円、私立・下宿生249万円 など


第3回

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私立小学校の学習費は公立の4.1倍 中学受験の有無で、教育費支出の差が拡大 仕送り額減少に伴い、大学生の生活費が大幅減 など


第4回

学校外教育費、6歳で月1万円超、中3では3万円近く

【1-1】私立の学習費は公立の2.0〜2.7倍

学校種別子どもの学習費総額

出典
「子どもの学習費調査報告書」文部科学省(平成16年度)
調査対象
公立の幼稚園〜高等学校、並びに私立の幼稚園、中学校、高等学校の幼児・児童・生徒

「学習費総額」には、「学校教育費」(授業料、教材費、学用品等)、「学校給食費」および「学校外活動費」(塾、習いごと等)が含まれる。学校種別にみると、公立幼稚園の23万8千円がもっとも低く、私立中学校の127万5千円がもっとも高い。

授業料を必要としない公立小・中学校においては「学校外活動費」の構成比が高く6割を超え、それ以外の学校では「学校教育費」の構成比が高く、私立中・高校では7割を超えている。私立中学校の「学校教育費」「学校外活動費」は、私立高校のそれを金額で上回り、さらに増加傾向にある。

公立と私立で「学習費総額」に大きな違いがあり、幼稚園では私立が公立の2.1倍、中学校では2.7倍、高校では2.0倍となっている。

【1-2】小6で、塾と習いごとが逆転

公立学校の補助学習費とその他の学校外活動費の状況

出典
「子どもの学習費調査報告書」文部科学省(平成16年度)
調査対象
公立の幼稚園〜高等学校、並びに私立の幼稚園、中学校、高等学校の幼児・児童・生徒

「学校外活動費」は、「補助学習費」(塾、家庭教師、家庭学習用の物品・図書費等)と「その他の学校外活動費」(習いごと、スポーツ等)に分けられる。

「補助学習費」は、学習机などの家庭で学習に使用する物品を購入することが多い小学1年を除き、幼稚園から中学校まで学年とともに高くなっている。  「その他の学校外活動費」は、小学1年から小学5年ぐらいまでは大きな変化がみられず、小学6年から高校2年まで学年とともに低くなっていく。

「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の割合は、小学5年までは「その他の学校外活動費」が高く、小学6年以降「補助学習費」が上回っている。小学校の低学年から中学年にかけては習いごとがさかんとなるが、小学6年を境にして、塾と習いごとの逆転がみられる。

【1-3】中学は公立、高校は私立が高い学習塾費

公立、私立の補助学習費の支出構成(中学1年から高校3年まで)

出典
「子どもの学習費調査報告書」文部科学省(平成16年度)
調査対象
公立の幼稚園〜高等学校、並びに私立の幼稚園、中学校、高等学校の幼児・児童・生徒

「補助学習費」は、「家庭内学習費」(家庭学習用の物品・図書費)、「家庭教師費等」(家庭教師、通信添削)、「学習塾費」(学習塾)および「その他」から構成される。いずれの学年でも「学習塾費」の割合がもっとも高い。

「補助学習費」全体では、公立では中学3年の32万5千円、私立では高校3年の32万8千円がもっとも高くなっている。

「学習塾費」は、中学校では私立より公立が高く、高校では公立より私立が高い。また、公立では、中学校、高校ともに、それぞれ学年が進むにつれて高くなっている。公立の中学3年の25万円が、公立私立を合わせてもっとも高い。

私立中学校は、「学習費総額」では127万5千円で、公立の2.7倍であるが、高校受験を行う生徒が少ないことなどから、「学習塾費」に限っては14万円で、公立の0.56倍(中学3年)と少ないのが特徴的である。

【1-4】高校卒業まで、公立で484万3千円

小学校から高校卒業まで12年間の学習費総額

出典
「子どもの学習費調査報告書」文部科学省(平成16年度)
調査対象
公立の幼稚園〜高等学校、並びに私立の幼稚園、中学校、高等学校の幼児・児童・生徒

小学1年から高校3年までの12年間の「学習費総額」を公立・私立の選択ケース別に単純合計すると、ケース1の「すべて公立」の場合は484万3千円となる。また、ケース2の「高等学校だけ私立」の場合は638万7千円、ケース3の「中学以降私立」の場合は880万1千円となる。

公立・私立の選択ケースにより12年間の「学習費総額」は大きく異なり、ケース2はケース1の1.3倍、ケース3はケース1の1.8倍となっている。

さらに大学の選択により、大学卒業までにかかる費用に大きな差が生じる。第2回で紹介する「大学生(昼間部)の国立、私立の学費と生活費」(『教育費』第2回【2-3】参照」)のデータも参照されたい。

参考資料
「子どもの学習費調査報告書」文部科学省