教育費 〜第3回〜
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文部科学省の「子どもの学習費調査」から学校種別の学習費総額をみてみると、私立小学校が137万3千円ともっとも高く、次いで私立中学校126万9千円、私立高等学校104万5千円となっている。
公立と私立を比較すると、幼稚園では私立が公立の2.1倍、小学校では4.1倍、中学校では2.7倍、高等学校では2.0倍となった。
平成16年度の同調査の結果(『教育費』第1回【1-1】参照)と比較してみると、私立中学校でわずかな減少がみられたものの、他は0.8%〜6.4%増加しており、とくに公立幼稚園、公立小学校で「学校外活動費」(塾、習いごと等)が大きく増加(幼稚園11.5%、小学校8.1%)していることがわかる。
また、学習費総額の「学校教育費」(授業料、教材費、学用品等)、「学校給食費」および「学校外活動費」の構成比をみると、授業料を必要としない公立小・中学校においては「学校外活動費」の構成比が高く、公立小学校で7割、公立中学校で6割を超えている。逆に、私立幼稚園、私立中学校および公私立高等学校では「学校教育費」の構成比が高く、私立幼稚園で6割、私立中学校、私立高等学校では7割を超えている。
1か月にかかる習い事、通信教育、塾、レッスン料等の費用の合計をたずねた調査結果をみると、学年別の平均教育費は、中3生が26,772円ともっとも多く、次いで小6生が22,870円、小5生が21,275円となっている。中3生、小6生の支出が多くなるのは、それぞれ高校受験、中学校受験を控え学習塾等への支出が増えるためと考えられる。
平均教育費を中学受験予定の有無別でみてみると、私立中学を「受験させない」家庭の教育費は1998年からほぼ横ばいなのに対し、「受験させる」家庭での教育費は年々増加傾向にある。「受験させる」場合と「受験させない」場合の教育費の差は、1998年には30,624円であったのが、2002年には32,722円、2007年には35,233円と、徐々に拡大していることがわかる。
私立大学新入生の家計負担調査から、出費が落ち着く「6月」の仕送り額の推移をみてみると、1996年には12万4千円であったのが、その後減少を続け、2007年には9万6千円と11年間で2割以上減少していることがわかる。
「仕送り額から家賃を除いた生活費」をみると、1996年には6万8千円であったのが、2007年には3万7千円と、1996年の約54%にまで減少し、1986年の調査開始以来最低の値となった。
一方、家賃は1996年の56,400円から、2007年の59,200円と11年間で5%弱の増加にとどまっているものの、仕送り額の減少により、仕送り額に占める家賃の割合は増加を続け、2007年には61.7%と6割を超えた。