ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

友人関係

友人関係 〜第1回〜

第1回

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  1. 小学生の約15%が悩みごとを相談できる友だちがいない
  2. よく遊ぶのは、小学生は同じクラス、中学生は加えて部活の仲間
  3. 土日の過ごし方、小学生は家族、中学生は友だち
  4. はじめて異性とつきあったのは中学生のとき

第2回

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  1. 友だち関係の満足度は年齢とともに減少
  2. 女子の友だち関係は学校段階により大きく変化
  3. 見て見ぬ振りの希薄な友人関係
  4. つきあいにくいのは「勉強ができる人」「まじめな人」
  5. 過半数の中学生が、いじめを見て何もしない

【1-1】小学生の約15%が悩みごとを相談できる友だちがいない

よく話をしたり遊んだりする友だちの数(学校段階別)悩みごとを相談できる友達の数(学校段階別)

出典
「第1回子ども生活実態基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター(2005)
調査対象
小学4年生〜高校2年生

よく話をしたり遊んだりする友だちの数は、「4〜6人」という回答が3割でもっとも多く、続いて2割以上が「7〜10人」と回答している。また、「いない」または「1人」と答えた子どもは3〜4%である。小・中・高校生を比較すると、学校段階での差はあまりない。

悩みごとを相談できる友だちの数は、「2〜3人」という回答が4割前後でもっとも多く、続いて2割前後が「4〜6人」と回答している。また、「いない」と答えた児童生徒がそれに続き、小学生で15.4%、中学生で14.1%、高校生で10.8%である。学校段階が小・中・高校生と進むにつれ、悩みごとを相談できる友だちの数は増える傾向にある。

【1-2】よく遊ぶのは、小学生は同じクラス、中学生は加えて部活の仲間

よく遊ぶ友だちの種類(学年 別、複数回答)

出典
「児童環境調査」厚生労働省(2001)
調査対象
小学5年生〜中学3年生

学校が終わってからよく遊ぶ友だちの状況をみると、小学生では「同じクラスの子」が8割弱ともっとも多く、「違うクラスの子」(4割)、「家の近所の子」(3割前後)と続いている。中学生では「同じクラスの子」が5〜6割ともっとも多く、「クラブや部活で一緒の子」(3〜5割)、「違うクラスの子」(4〜5割)と続いている。

小学生では「同じクラスの子」と遊ぶことが圧倒的に多いが、中学生では「同じクラスの子」と「クラブや部活で一緒の子」の割合が接近している。また、中学生になると、「違う学年の子」や「家の近所の子」と遊ぶ割合が大きく減っている。

【1-3】土日の過ごし方、小学生は家族、中学生は友だち

放課後や土日に一緒に過ごす相手(学年別、曜日別)

出典
「地域の教育力に関する実態調査」文部科学省(2005)
調査対象
小学2年生・5年生、中学2年生

学校がある日の放課後にみんなで過ごすときの相手は、小学生では「学年や年の同じ友だち」が7割を超えもっとも多く、「自分の兄弟姉妹」、「お父さん、お母さん」と続いている。中学2年生では「学年や年の同じ友だち」が8割ともっとも多く、「学年や年のちがう友だち」、「自分の兄弟姉妹」と続いている。学年が高いほど、家族と過ごす子どもの割合は減少している。

土日にみんなで過ごすときの相手は、小学生は学年が低いほど家族と過ごす子どもの割合が高く、小学2年生では「お父さん、お母さん」が第1位となり、「自分の兄弟姉妹」、「学年や年の同じ友だち」と、第1位から第3位の順位が学校がある日の放課後と逆転している。中学2年生では、学校がある日の放課後と順位、割合ともに大きな変化はない。中学生の親離れが、このあたりにもみることができる。

【1-4】はじめて異性とつきあったのは中学生のとき

異性とのつきあい

出典
「第1回子ども生活実態基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター(2005)
調査対象
小学4年生〜高校2年生

今、「つきあっている異性がいる」と答えた割合は、中学1年生の7.9%から高校2年生の17.6%まで、学年とともに高くなっている。また「以前はいたが今はいない」と答えた割合も、中学1年生の12.2%から高校2年生の35.1%まで、学年とともに高くなっており、高校生の約半数が、異性とつきあった経験がある。

はじめて異性とつきあった年齢は、13〜15歳の各年齢がそれぞれ1割前後と高く、続いて12歳、16歳が多くなっている。中学校の3年間にはじめて異性とつきあい始めることがもっとも多く、小学校卒業年、高校入学年がそれに続いている。なお、「9歳以下」、「10歳」、「11歳」などの低い年齢ではじめてつきあったと答えた児童生徒の割合は、回答者の学年が高くなると減る傾向がある。「異性とつきあう」という言葉の解釈が、学年とともに変化していることも要因にあると考えられる。

参考資料
「第1回子ども生活実態基本調査報告書」ベネッセ教育研究開発センター
「児童環境調査」厚生労働省
「地域の教育力に関する実態調査」文部科学省