友人関係 〜第2回〜
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今の友だちとのつきあいが楽しいかどうか聞いたところ、「とても楽しい」または「楽しい」と答えた割合は、すべての年齢区分で95%を超えている。「とても楽しい」は、小学4〜6年生で7割を超えているのに対し、22〜24歳では5割となり、年齢区分が上がるほど減少している。
男女別にみると、小学4〜6年生、中学生、22〜24歳の年齢区分では大きな違いがみられないが、15〜17歳、18〜21歳の年齢区分では、「とても楽しい」と答えた比率が、それぞれ6ポイント、11ポイント女子が男子よりも高くなっている。高校生、大学生の年齢の男子は、同年齢の女子に比べ、友だち関係の満足度がやや低い傾向にある。
友だちとの関係をあらわす項目について、「とてもそう」または「まあそう」と答えた割合を見ると、7〜9割が「友だちといつも一緒にいたい」と答え、7割が「違う意見をもった人とも仲良くできる」と答えている。小学生女子は、7項目中「友だちといつも一緒にいたい」、「仲間はずれにされないように話をあわせる」、「友だちと話が合わないと不安に感じる」、「友だちが悪いことをしたときに注意する」の4項目でもっとも回答が多く、友だち関係について意識することが多い様子がうかがえる。
「違う意見をもった人とも仲良くできる」、「年齢や性別の違う人と話をするのが楽しい」と答えた児童生徒は、どの学校段階でも女子が男子より多く、高校生女子がもっとも多い。高校生女子は「グループの仲間同士で固まっていたい」、「仲間はずれにされないように話をあわせる」の回答がもっとも低く、女子は学校段階により、友だちとの関係が変化していくことがうかがえる。
日本の子どもは、韓国、アメリカの子どもと比較して、「いじめを注意したこと」、「友だちのけんかをやめさせたこと」、「悪いことをしている友だちに注意したこと」、「困っている友だちの相談にのってあげたこと」などをあまりしていない。とくに「いじめを注意したこと」(4%)は、「悪いことをしている友だちに注意したこと」(10%)などと比べても「何度もある」と答えている子どもが少なく、いじめを見て見ぬ振りをする風潮がうかがえる。
日本の子どもは、「学校の規則をやぶったこと」(17%)が諸外国に比べて多いのに対し、「友だちとの約束をやぶったこと」(4%)は少ない。諸外国の子どもが、学校の規則と友だちとの約束を同じ程度大切にするのに対して、日本の子どもは友だちとの約束をやぶらないように大切にしていることがわかる。
日本の高校生がつきあいやすいと思うタイプは、「同じ趣味を持っている人」(64.7%)、「活発で明るい人」(63.1%)、「自分の話をよく聞いてくれる人」(60.6%)などで、米国、中国、韓国の調査結果と同じ傾向にある。
日本の高校生が選ばなかったタイプは、「勉強がよくできる人」(10.3%<米国39.0%)、「まじめな人」(10.3%<中国44.2%)、「自分に甘えてくれる人」(12.2%<米国36.1%)、「正義感のある人」(17.1%<中国50.3%)であり、諸外国に比べて傾向が極端である。友だちとして、いわゆる優等生タイプを避けている傾向が強くみられる。
「いじめ・登校拒否・校内暴力問題に関するアンケート調査」(総務省)によれば、「今いじめられている」児童生徒が4.1%、「以前いじめられたことがある」児童生徒が29.0%おり、児童生徒の3分の1がいじめの被害にあっている。また、他の人がいじめられているのを「見たことがある」児童生徒は55.4%に達する。
他の人がいじめられているのを見たときの児童生徒の対応は、小学生は「いじめている人を注意した」(37.1%)、「いじめられている人を助けたり励ましたりした」(35.5%)が多く、「何もしなかった」(28.1%)が続いている。中学生は、「何もしなかった」(52.4%)がもっとも多く、「いじめられている人を助けたり励ましたりした」(25.0%)、「いじめている人を注意した」(17.5%)と続いている。小学生の7割が何らかのアクションを起こしているのに対し、中学生の過半数はいじめを見ても何もしていないことがわかる。