ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

運動・体力

運動・体力 〜第2回〜

第2回

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  1. 中学生の6割、高校生の5割が運動部に積極的に参加
  2. 中体連への加盟率、男子76%、女子55%
  3. 高体連・高野連への加盟率、男子55%、女子28%
  4. 運動部活動に、9割の中学校で外部指導者の活用を希望

第1回

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  1. 低下傾向にある運動能力
  2. 運動習慣 小学生は外遊び、中高生は部活動
  3. 球技や固定遊具遊びが人気、同年齢の集団で
  4. 体力・健康への不安を抱える中高生

【2-1】中学生の6割、高校生の5割が運動部に積極的に参加

部活動への参加状況

出典
「第4回学習基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター(2007)
調査対象
全国3地域[大都市(東京23区内)、地方都市(四国の県庁所在地)、郡部(東北地方)]の中学2年生2,371名、全国4地域[東京都内、および東北、四国、九州地方の都市部と郡部]の普通科高校2年生4,464名

中高生の部活動への参加状況をみると、中学生では9割超、高校生では約8割の生徒が何らかの部活動に参加していることがわかる。
 もっとも多いのは、「運動部に入って積極的に参加している」生徒で、男子では中学生71.5%、高校生61.5%、女子では中学生55.5%、高校生41.1%にのぼり、「文化部に入って積極的に参加している」生徒(中学男子5.3%、高校男子8.6%、中学女子27.0%、高校女子27.1%)と大きく差が開いた。

しかし、高校生になると「運動部に入って積極的に参加している」生徒が男子で10.0ポイント、女子で14.4ポイント減少している。部活動での運動が中高生の運動の中心になっている(『運動・体力』第1回【1-2】参照)ことから考えると、高校生では男女ともに運動する機会が減少していることがわかる。

【2-2】中体連への加盟率、男子76%、女子55%

中体連加盟生徒数

出典
「(財)日本中学校体育連盟 加盟校・加盟生徒数調査」(財)日本中学校体育連盟(2006)
調査対象
全国の中学校

財団法人日本中学校体育連盟(中体連)への加盟生徒数をみると、男子の76.2%、女子の55.0%が同連盟へ加盟している。男子と女子の加盟率には、21.2ポイントの開きがある。

種目の内訳をみると、男子では軟式野球(16.4%)、サッカー(12.0%)、ソフトテニス(9.7%)、バスケット(9.2%)、卓球(8.9%)が上位を占め、女子ではソフトテニス(11.8%)、バレー(11.2%)、バスケット(8.9%)、卓球(5.0%)、バドミントン(4.9%)の順になっている。
 男子では4人に1人が軟式野球かサッカーをしており、野球、サッカーの人気の高さがうかがえる。

【2-3】高体連・高野連への加盟率、男子55%、女子28%

高体連、高野連加盟生徒数

出典
「(財)全国高体連 競技別加盟校数および生徒数」(財)全国高等学校体育連盟(2006)
「平成19年度加盟校部員数・硬式」(財)日本高等学校野球連盟(2007)
調査対象
全国の高等学校

財団法人全国高等学校体育連盟(高体連)および財団法人日本高等学校野球連盟(高野連)への加盟生徒数をみると、加盟率は男子55.4%、女子27.5%と、中体連への加盟率(【2-2】参照)と比べ、かなり低くなっている。とくに女子の加盟率は4人に1人にとどまっている。
 種目の内訳をみると、男子は硬式野球(9.9%)、サッカー(8.5%)、バスケット(5.4%)、テニス(4.3%)、陸上(3.2%)が上位を占めており、女子はバレー(4.2%)、バスケット(3.9%)、バドミントン(3.1%)、テニス(2.6%)、ソフトテニス(2.6%)、弓道(2.0%)、陸上(2.0%)が上位を占める。

軟式野球と硬式野球、ソフトテニスとテニスを同種目と考えると、加盟数上位の種目は中体連加盟数の順位とほとんど変わらず、中学、高校の種目の連続性が推測される。

【2-4】運動部活動に、9割の中学校で外部指導者の活用を希望

運動部活動のあり方に関する意識調査

出典
「これからの運動部活動の在り方」答申 茨城県スポーツ振興審議会(2007)
調査対象
茨城県内の全公立中、高等学校

茨城県スポーツ振興審議会がまとめた「これからの運動部活動の在り方」についての調査データをみると、運動部の活動状況については、「大変活発である」「やや活発である」を合わせると、中学校では約8割の学校が活発に活動しているが、高校では活発に活動している学校は5割強にとどまっている。
 その一方で、「ここ3か年において、顧問の不足や部員の減少により休部や廃部になった運動部がある」と答えた学校が、中学校で4割、高校では過半数にのぼり、さまざまな事情により存続が難しい運動部があることもわかる。

顧問の配置についてみると、中学校では9割近くの学校で「全職員が当たることを原則としている」のに対し、高校では「全職員が当たることを原則としている」と「希望する職員が当たることを原則としている」がそれぞれ半数近くを占める。中学とは部活動指導の位置づけが変わることや、競技の専門性が高くなっていることなどが背景にあると考えられる。

現在外部指導者を活用している学校は、中学校で65%、高校で35%にのぼり、より高い専門性が必要と考えられる高校が、中学よりもポイントが低いのは興味深い。また、「今後活用を予定している」「条件が整えば活用したい」を合わせると、中学校の9割、高校の7割が外部指導者の活用を希望しており、ニーズの高さがうかがえる。

参考資料
「第4回学習基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター
「(財)日本中学校体育連盟 加盟校・加盟生徒数調査」(財)日本中学校体育連盟
「(財)全国高体連 競技別加盟校数および生徒数」(財)全国高等学校体育連盟
「平成19年度加盟校部員数調査」(財)日本高等学校野球連盟
「これからの運動部活動のあり方」答申茨城県スポーツ振興審議会