教育フォーカス

【特集8】「一人一台環境における学びの自立を支援する学習モデルの検討」研究より

[第3回] タブレットを用いて家庭学習の内容をクラス内で共有し、自学の変容を促す─分析編  [3/5]

3.アンケートの結果分析

◎多くの子どもが「楽しかった」と感じ、自信を付けた

(1)実施前後に行った「基本アンケート」

母数が少ないことや2件法ということもあり、慎重に考えなければならないが、前後のスコアで有意に変化していたのは表2の14項目だ。今回、タブレットを利用した学習を初めて行うという子どもが多いと思われるので、タブレットやパソコンに関する項目のスコアが上昇するのは予想どおりである。ただ、それ以外にも、「正しいしせいでべん強していますか」「家で毎日べん強していますか」など、学習に関する項目、「自分のグループやはんのかつどうでまとめたりはっ表したものは、自分のものだと思いますか」という共有に関する項目もスコアが上がっていることは、注目すべき点だろう。

「基本アンケート」でスコアが有意に変化した項目

【表2】「基本アンケート」でスコアが有意に変化した項目

(2)毎週金曜に行った「ふりかえり→計画シート」

週ごとのアンケートでは、これまでの自主学習を振り返って、「たのしかった」「がんばった」「もっとやりたい」「自しんがついた」の4項目を5件法で尋ねた。1週目→3週目にかけて、4項目すべての値が上昇している。この学習スタイルが多くの子どもに受け入れられていること、また、がんばって取り組み、その積み重ねによって自信がついてきている様子がうかがえる。ただし、有意ではないが4週目では値が頭打ちとなっている。上昇トレンドの中で上限に近付き値が伸びにくくなったのに加え、このスタイルの学習に対する評価が子どものなかで定まってきた結果と言えそうだ。

自主学習に対する評価(週毎の平均値

【グラフ5】自主学習に対する評価(週毎の平均値)

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