教育情報

企画室より

「ワークショップ型研修」のご提案
 ~東京都町田市教員研修より~

2014年10月21日 掲載
情報編集室 学校情報グループ 草場 隆志

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■まずは関係性づくり~実態と課題を共有

 2014年8月4日から6日までの3日間、東京都町田市教育委員会からの依頼を受け、町田市の小・中学校新任教員12名の「民間企業研修」をベネッセ東京本部ビルで行いました。

 ベネッセ教育総合研究所では、初日午後(13~17時)に、
  「21世紀を生きぬく子どもたちを、小中9年間を通してどう育てるか?」
というテーマで、気楽にまじめな話をするワークショップを主催。昨年来、主催しているTeachers’ cafe(詳細はこちら)と同様、先生同士の関係性づくり(自分自身を語り合う)からスタートしました。
 続いて、ベネッセ教育総合研究所・研究員が最新の「小中学生の生活や学習の実態調査結果」を基に
  ●子どもは放課後、どのように過ごしているか?
  ●保護者は子どもの教育にどんな意識を持ち、どんな関わりをしているか?
を解説。各校における「実態と課題」をグループ毎に共有しました。自分自身を語り合って関係性が深まっていたので、研修初日にもかかわらず、本音で語り合われていました。

■小中の枠を超えて子どもの育ちを議論

 休憩を挟み、今後100年の社会や教育の動向予測を基に
  ●これからの社会の変化と求められる教育
を研究員が解説。いよいよ本題の「21世紀を生きぬく子どもたちを小中9年間を通してどう育てるか?」について、研究員を含めた4名1組のワールドカフェ形式(*組み合わせを替えながら、少人数での会話を積み重ね、組織的な探求につなげていく対話の手法)で、熱い議論を交わしました。

 「9年間を3+6年に分け、1~3年で生活指導、4~9年で学習指導をしては?」「3+3+3年に分け、学年横断で“マシュマロとパスタを使った問題作り”をさせては?」といったようなユニークな意見も出ました。



 参加された先生方からは異口同音に「ふだんは忙しくて、こういう議論が出来ないので楽しかった」「22世紀を見据えた教育という視点はなかったのでとても刺激になった」「明日からの指導や意識を変えたい」といった声が聞かれました。

■同僚性を育み、学校力を高めるワークショップ

 2014年6月に公表された「OECD国際教員指導環境調査」において、日本の中学校教員は参加34カ国・地域中、最も忙しい反面、指導に対する自信の低さが話題になりました。しかし、日本の教育レベルは世界的に見ても明らかに高く、なぜここまで先生方の自己肯定感が低いのか? 全国のいろいろな先生方にうかがうと、事務処理や部活動等に必要とされる時間が長く、もっと授業準備や放課後などにおける学習指導に時間をかけたいという思いが、スコアとして表れたのではないかと考えられます。

 今回の新任研修で行ったような「気楽にまじめな話をするワークショップ」は、そういう現状を打破できる可能性があります。2014年10月発刊の『VIEW21中学版』『VIEW21 小学版』『これからの幼児教育』でも「同僚性を育み、学校力を高めるワークショップ型校内(園内)研修」の方法をご紹介しています。
 プレゼント付きで「実践レポート」も募集しています(2015年1月9日締切)ので、ぜひご一読ください。

 これからもベネッセ教育総合研究所はTeachers' caféやVIEW21等を通して、情報提供やご指導の提案をさせていただき、先生方と共に、未来を生きぬく子どもたちを育てていきたいと思います。

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