報告書の概要
中学生のもつ『場』における意欲」研究の全体構想
本研究は、上記のテーマに基づき、3人の研究者がそれぞれの視点からアプローチをした。
テーマ設定の背景
中学校は様々な変革を求められている。間近にせまった学校完全週5日制の実施や学習指導要領の改訂、個性重視の指導への移行など、指導内容の質的見直しが必要となっている。
また、学歴信仰が崩れつつある現在、「高校入試」のハードルだけでは学習の動機づけにならなくなることが予想され、それに代わる新しい動機づけが必要になってくる。
さらに、「中学生」という時期は、周囲の人間関係が拡大し、自分以外の「他者」から受ける影響も大きくなる。学習活動を含めた彼らの行動は、「他者」との関係性の中で生み出され、その中で、意欲も形成されると考えられる。
このような状況下、中学校は「学校」という集団指導を前提とした枠組みの中で、中学生一人ひとりが個性を発揮し、意欲的に活動できる環境をいかにつくるかが問われている。
研究対象
中学生、中学生を中心とした若者全般
テーマ
研究3<場の社会史からみた動機づけのメカニズムの研究>
若者がもつ人間関係を中心とした「場」がどのような機能を果たしてきたのかを歴史的に振り返り、それを前提に、今後中学生が意欲的になれる生活空間の条件について探る。
●文献を中心とした研究+質的調査
(中学生への質問紙調査、グループインタビュー)
・・・社会学的視点からのアプローチ
ライズコーポレーション代表取締役 岩間夏樹
調査報告書の目次・詳細
「中学生のもつ『場』における意欲」研究の全体構想・刊行にあたって |
|
||
中表紙・研究対象・テーマ |
|
||
目次 |
|
||
第一章 「場」の社会史1. 「場」の概念 2. 忽村社会の成立と勤勉革命 3. 「場」という生活空間の変化 4. 「タテ社会」以後の日本社会 |
|
||
第二章 青少年の生活空間の社会史1.元禄・享保体制時代 2.近代的教育システム以後 3.学校改革運動 4.産業構造の変化と学校文化 |
|
||
第三章 「場」の機能1. 「場」が我々にもたらしたもの 2. 「場」の解体の予感 3. <世間>から<市場>へ 4. <市場>育ち世代の動機づけのメカニズム 5. <世間>なき時代の孤独 |
|
||
第四章 「場」をめぐる現状1. 家庭 2. 学校 3. 地域社会 4. 居場所がないという思い 5. まとめ-子どもの生活空間のあるべき姿 |
|
||
第五章 調査の記録1. はじめに 2. 学校の状況 3. 学校外の生活 4. 親子関係・家庭生活 5. ポジティブ・ネガティブな動機づけ |
|
||
第六章 中学生たちのおかれた状況1. はじめに 2. 中学校という特殊な空間 3. 発達過程の中の中学校 4. 我々が迎えた分岐点 5. 「連」的関係の教育環境のイメージ 6. 動機形成から見た教育環境 |
|