CO-BOが第4回目で取り組むテーマは 、「発達障害のある人の就労に関わる問題」です。
昨年度、私たちは「発達障害のある子どもたちの学びに関わる問題」(詳細は昨年度の「きっかけシート 」へ)とは、自他ともに障害の認識がないこと、周囲の理解不足から二次障害を起こすケースが多いこと、学校卒業後に就業や社会生活で困難を抱えるケースがあることなどがあるとしました。一方で、障害の種類と程度にもよるかもしれませんが、しっかりとしたインクルーシブ教育を実践する学校は、誰もが個性を尊重され、学びやすい場所であることも分かりました。
いずれにしても、卒業後は発達障害のある子どもたちも社会で生きていかねばなりません。学校での教育はその社会を想定したものになっているでしょうか。社会は発達障害のある卒業生を受け入れる用意ができているでしょうか。障害者差別解消法が施行された今年、社会と教育の在り方を深く考える価値はあると思います。
ジョン・デューイは『経験と教育』において、「個人が一つの状況で知識や技能を学んだことは、それに続く状況を理解し、それを効果的に処理する道具になる。この過程は、生活と学習が続くかぎり進行する。」といっています。見方を変えれば、発達障害のある子どもたちも活躍できる教育や社会のあり方を考えるとき、学校卒業後にどのような経験が彼らを待っているのかを知ることが重要に思えます。
今年度も教育、福祉、行政、事業会社など各方面の専門家や実践者の方々の見解と取り組みを通して考えていきたいと思います。
BERD編集長 石坂 貴明