ベネッセ教育総合研究所
特集 中学校のキャリア教育を考える
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キャリア教育は、すべての教育活動を通して推進
 「報告書」では、キャリア教育の視点から学校改革を進める方策として、二つの大きな提言を行っています。
 一つは、「キャリア教育を学校のすべての教育活動を通して推進する」こと。もう一つは「小・中・高の各学校段階で児童・生徒の発達段階に応じた取り組みの推進」です。
 まず前者ですが、従来の進路指導はその多くが特別活動の枠内で行われてきました。しかし「報告書」では、キャリア教育を特別活動だけでなく、教科教育、道徳教育、「総合的な学習の時間」のすべての教育活動を有機的に結びつけて展開するものと位置づけています。例えば理科の授業で「宇宙」に興味を持った生徒が、特別活動の職業調査で「宇宙に関連する仕事」を調べ、道徳の時間に「社会の中で働くこと」について考えるというように、あらゆる教育活動のなかから生徒の勤労観・職業観を養っていこうというわけです。
 これを実質的なものにするには、各活動のなかにどのようにキャリア教育の視点を取り入れるか、またある活動をほかの活動と有機的に結びつけるにはどうすればいいかについての検討が必要です。それぞれの学校が、キャリア教育を軸にカリキュラム全体を見直し、再編成することが求められているのです。
 一方、「発達段階に応じた取り組みの推進」は、中学生なら中学生の発達段階に応じた課題と、その課題をクリアするための到達目標を設定するというものです。「報告書」でも国立教育政策研究所生徒指導研究センターが作成した「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」を示したのですが、今後の国や教育委員会の情報提供を参考にしながら、各校ごとに課題・到達目標の設定に着手してほしいと思っています。


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