ベネッセ教育総合研究所
特集 中学校のキャリア教育を考える
北星中学校
 松任市は石川県の中央部、金沢市に隣接する人口約6万8千人の町。北星中学校は1980年に開校。当時は松任市が積極的に工業団地を誘致していたこともあって、3年で生徒数が倍増、1学年9学級のマンモス校となったが、現在はその半分程度に。古くからの市民が住む地域と、新しい市民が住む工業団地の両方が通学域に含まれ、それも踏まえた進路指導などが行われている。2003年度の学力向上フロンティア校。充実した図書室には、寝転がって本が読めるスペースも。
〒924-0026
石川県松任市平木町112-1
TEL  076-275-4454
FAX  076-275-4457
生徒数/609人、
学級数/17学級
香城 満校長
香城 満校長
白木みどり先生
白木みどり先生
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実践事例(2)
石川県松任市立北星中学校
道徳を中心とした横断的な指導が、
生徒に夢を持ち続ける力をつける
実践のポイント
(1)特活の「横断的指導計画」で道徳、教科などとキャリア教育との関連を図りながら活動する。
(2)実践にあたっては、計画表にこだわらず、生徒の実態に合わせて題材を自由につくる。
(3)高校入試は1つのプロセス。夢実現のためにはいくつものバイパスがあることを伝える。


学力に合わせる進路選びから将来を見通した進路選びへ
 キャリア教育で問題となるのは、1〜2年生で職場体験などを重ねても、肝心の進路選択の3年生になるとそれが生かされず、学力に合わせた受験校選びが優先されてしまうこと。北星中学校でもそんな悩みを抱えていた。それがこの2年で大きく変わったと、香城満校長は語る。
 「驚いたのは進路関係の検討会議のときです。これまでは、『この生徒の学力なら、この高校に行けそうだ』という話をしていたのが、『この生徒は将来、こんなことをしたいと考えている。だから、この学校に進学したほうがいいのではないか』そういう話になってきました。これまでの倍の時間がかかるようになりましたが、先生たちも充実感・満足感がありますし、生徒たちへも説得力があるでしょう」
 実際、高校受験間近の3年生たちの口からも、「宇宙に関係した仕事に就きたいから、理数科のある高校をめざしています」「デザイナーになりたい。2年生の美術の時間にデザインのことを先生に教えてもらって」など、現在の自分と将来とが着実に結びついた答えが返ってきた。
 そんな変化を生んだキーパーソンが、2002年度に同校に赴任した白木みどり先生。担当は国語科だが、これまで、道徳と関連させたキャリア教育の研究と実践を重ねてきた。
写真
▲写真1 授業は、自分の作文を読み上げたあと、ほかの班の異性を指名する
という「相互指名」のかたちで進む。こうした工夫の積み重ねで、
「全員が自分の言葉で自分の意見を言う」ことが実現されていく。


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