ベネッセ教育総合研究所
太宰府市立学業院中学校
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IT研修の感想
 太宰府市立学業院中学校で行われた研修に参加した。  午後4時。授業を終えた教員が、パソコン教室に集まってくる。全教員36人のうち、約20人ほど集まった段階で、サポーターによる説明が始まった。
 今回の研修目的は、教材ソフト4本の紹介である。学校内のネットワークを使って学校活動全般をサポートする「スクールイントラパック3」のほか、職業研究に役立つ「職業探険ナビネット」、教科教材の資料となる「eランチシリーズ」「@発見島」(注3)。
注3
スクールイントラパック3 ネットワークを活用し、コンピュータによる双方向コミュニケーションと創造的学習活動を支援するベネッセの共同学習支援ソフト。
職業探険ナビネット 子どもが興味を持つ仕事の内容、生活と収入、就職状況などの情報が検索できる「職業しらべナビ」と職場体験や見学のレポートをまとめたデータベースを構築できる「職場体験ナビ」からなるベネッセの進路学習用ソフト。
eランチシリーズ ブラウザを利用した掲示用学習教材データベースで、動画、写真、イラストや説明文章が用意されている。プロジェクターでの教材提示や調べ学習に利用できる。
@発見島 ネットワーク型の教科学習ソフトで、論理的な見方・考え方を育てるための試行錯誤シミュレーション型教材、資料を読み取る力を育てるデータベース型教材などのラインナップがある。


 サポーターのナビゲーションに従って、実際に教員自身がパソコンを操作し、試してみることで教材ソフトの特徴を知る。不慣れでまだおそるおそるという先生もいれば、先へ先へと操作を進めていく先生もいる。宇宙のデジタル映像を楽しんでいる男性教員もいれば、歴史の資料映像からモンゴル帝国の盛衰を追いかける女性教員もいるし、なかには、素材となった数学の問題を画面操作しながら解こうとしている教員もいた。その表情には、おしなべて好奇心と戸惑いとが入り交じる。
 研修後、感想をきいてみた。
 「歴史資料は、古典の導入としておもしろく使えるかなと思いました」(国語・永野恵美先生)
 「生徒への興味づけに、とてもいいと思いますね。ただ、化学の実験など、実際に火や薬品を使ってみないとリアリティーがない分野もあると思いますね」(中2理科・磨島寛先生)
 実は、学業院中学校では以前から、パソコンを使った授業への取り組みが始められていた。なかでも英語では、教科書準拠のソフトを用いた授業を積極的にスタートさせている。
 中1生に英語を教える高田敏信先生は、「構文や単語を提示するとき、フラッシュカードの代わりにパソコンを使えば、流れがスムーズです。また、ネイティブの発音ですし、スピード調整もできます。効率的に指導ができ、子どもの理解も早い。それに、子どもたちが、楽しんで勉強していますね。自分たちでパソコン操作して進めていくのもおもしろいようです」と言う。
 美術の授業では、これまで切り貼りで作っていた作品鑑賞の資料が、スキャナを使うことによってより正確でわかりやすいものを準備できるようになった。担当の中川哲治先生は、こう語る。
 「サポーターの方に教えてもらったんです。これまでの切り貼り資料は白黒でしたが、いまは作品の色どおりにプロジェクターで大写しにして説明できます。また、例えば象の色を知りたいとき、インターネットで検索すれば実物を見せることもできる。授業のやり方が、明らかに変わりました」
写真
▲写真2 「職業探険ナビネット」の画面。
「いま、中1生に職業研究をさせているところ。
このような分類や内容は、役に立ちそうですね」と高田敏信先生


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