ベネッセ教育総合研究所
特集 学びに向かう集団づくり インタビュー三宅なほみ
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自分で解を見つける力が求められる
 協調型の学びは、新しい問題・未体験の課題に取り組む知力が身につくという点でも優れています。伝授型の学習の場合、知識を教え込むという形をとりますから、教えられる者が教える者の知識を超えることは期待されていません。
  社会が安定期にあるなら、先行世代の知識を次世代に伝授していく方法は有効でしょう。しかし変化の激しい現代では、環境問題にせよ生命倫理の問題にせよ、あらかじめ解が用意されていて、人々はそれを知識として習得すればいいというわけではなく、自分で解を見つける力が求められます。そのときに有効なのが、複数の参加者が少しずつ違う視点から解を提示し、それを吟味し、適切だと思われる解を導き出していくという協調型の学習の方法なのです。
  IT技術の発展により、協調型の学習をしやすい環境も整いつつあります。今は、学校のパソコンを使って、生徒が自分で調べてきたことや考えたことを気軽に書き込める電子掲示板を設けることが可能です。電子掲示板があれば、クラスや学年、あるいは他校の生徒たちとある共通のテーマについて議論するときに、複数の生徒が提示した解を共有し、吟味することもできます。



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