第1部 これからの学力調査を考える 多様な学力調査で学力の裾野を広げる
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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地方自治体の実践事例 2

島根県教育庁

URL http://www.pref.shimane.lg.jp/kyoikuiinkai/
●06年度の学力調査の実施概要
  実施時期/ 5月
  対象学年/ 小3〜6生・中1〜3生(悉皆)
  対象教科/ 国・算・学習意識調査(小3・4生)
国・算・理・社・学習意識調査(小5・6生) 
国・数・理・社・学習意識調査(中1生)
国・数・英・理・社・学習意識調査(中2・3生)
 島根県は06年度に学力調査を実施。島根県教育庁・小中学校指導グループの長岡素巳氏はその狙いをこう説明する。
  「本県では03年度に、小6生、および中3生の約2割を対象に抽出方式の学力調査を実施し、その結果を踏まえた学力向上対策に取り組んできました。それから3年が経ち、結果の検証が必要になったことに加え、市町村側からも全県的な学力調査実施へのニーズが高まってきたため、改めて悉皆方式で実施することにしたのです」
  結果は5つの側面から分析し、次への改善が図られる。
(1)子ども一人ひとりの課題→個人面談や三者面談、また長期休業中の学習への活用
(2)学校としての組織的な課題→学力向上を総合的に実現するための管理職研修会の実施
(3)授業・教育課程の課題→リーダーセミナーの実施
(4)県全体としての各教科の課題→分析・検討結果を報告書にまとめ、指導の方向性を改善
(5)教師一人ひとりの課題→中堅教師を対象とした授業力向上セミナーなどの実施
  更に、各校の取り組みを広めるため、「学力向上パイオニアスクール事業」を実施。調査結果の分析を基に実践的な研究を行う小・中学校20校を指定し、研究費を支給する。指定校は自校のホームページで内容を公開し、研究で開発した資料は教育庁の「学力向上指導事例集」にも掲載する。「学力向上サポート事業」は、地域住民のサポーターとしての活用を研究する学校を支援。地域を巻き込んだ教育の確立を狙う。長岡氏は、「県や市町村、各校が調査を多面的に活用することで、学力の底上げを目指したい」と意欲的に語る。

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