記念特集 中学校教育のこれまでとこれから
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■学校概要

昭和24年に波照間小中学校として開校し、昭和50年に波照間中学校へと分離独立。波照間島は石垣島からおよそ60km、定期高速船でほぼ1時間の距離にある、周囲約15kmの日本最南端の有人島。離島の中学校として金銭教育や環境教育、開かれた学校づくりに積極的に取り組む。


■生徒数◎18人(1年3人、2年6人、3年9人)
■教職員数◎14人
■住所◎〒907-1751
沖縄県八重山郡竹富町字波照間50
■Tel◎0980-85-8454
■Fax◎ 0980-85-8186
■URL◎http://www9.
ocn.ne.jp/~hatyu/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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最北最南の中学校を訪ねて

沖縄県 竹富町立波照間中学校

15歳の独り立ちに向け 教師全員で見守り
生きていく力を育てる

離島という環境でたくましく育つ

 八重山列島の中心である石垣島と波照間島とを結ぶ主要な交通手段は、朝、昼、夕の定期高速船。しかし、海が荒れれば、船は欠航する。そのため、部活動の大会や校外学習に参加する際、荒天を避けて生徒は前日、前々日から移動することもある。生徒には自ずと「何でもできるときにやっておく」先回りの行動が身に付く。日々の授業の準備や掃除でも、生徒は教師の指示を待たない。その積極的な姿勢は、同校に初めて勤める教師を驚かせる。離島という環境が生徒をたくましく育てているのだ。
 しかし、そうした環境は、課題も与える。島には保育所から中学校まで一つずつ。子どもはずっと一緒に育つため、人間関係は固定しがちだ。そのせいか、生徒は改まった自己主張が苦手だ。教師は、スポーツ大会や英語スピーチなど、ほかの中学校の生徒と交流できる機会を探し、なおかつ船代などの交通費の補助があるものを見付けては参加を勧める。

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毎朝、生徒は交替で正門前に立ち、大きな声で挨拶
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体育は3学年合同で実施。この日はハンドボール
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隣接する小学校と共用の食堂で給食を食べる
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学校の敷地内では5頭の山羊を飼育する。生徒の課外活動費の貴重な財源となる

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