ベネッセ教育総合研究所
特集 高等教育分野への新規参入者たち
藤本真佐
デジタルハリウッド(株)
代表取締役社長 藤本真佐
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【インタビュー】
顧客第一主義の考え方こそ株式会社立大学の最大の強み
 デジタルコンテンツやIT分野のプロフェッショナル育成事業で知られるデジタルハリウッド(株)が、2004年度から教育特区の制度を利用して、民間企業が設置する最初の大学院であるデジタルハリウッド大学院を設置した。代表取締役社長兼CEOの藤本真佐氏に、高等教育への参入の理由とそのメリット・デメリット、企業ならではの教育や大学運営の特色、高等教育全体に与える影響などを聞いた。
文科省の認可は学生へのプラス材料

――民間の教育機関として実績をあげているのに、なぜ、あえて文部科学省管轄の高等教育に参入しようと思ったのですか。
藤本 大学院という組織にした方が、お客様(学生)にとってプラス面が多いからです。マスターの学位が取得できる、留学生はビザが取得しやすい、海外で有利に就職できる、新卒の給与が学部卒より高い、などのメリットがすぐに思い浮かびます。また、奨学金の受給、通学定期券の利用、企業における大学院通学に対する優遇制度の利用など、大学院として認定してもらうことで、学生には大きなメリットが生まれるのです。
 当社は民間組織として教育機関を運営しているわけですから、文科省管轄の学校との差は相当大きい。学生が払う授業料にしても、文科省認可の学校なら非課税ですが、スクールの場合は5%の消費税がかかります。これらのことを総合的に判断して、大学院設置を決定したのです。

――大学ではなく、大学院を設置したのは、なぜですか。
藤本 まずは、当社のスクールに通っているお客様の層が、大学院で学ぶ層に近かったからです。従来のスクールの場合、学生の平均年齢は25歳くらいで、大学を卒業した人も多く、スキルを身につけて転職しようと考える人が大半です。また、大学院設置の方が、4年制大学より設置のハードルが低いということもありました。


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