父母の再教育に焦点を当てたカリキュラムを構築
八洲学園大学の設置者である学校法人八洲学園は、不登校や学習障害などにより高校を中退したり、進学を選択しなかった生徒を受け入れる通信制高校や高等専修学校を経営している。
「こうした生徒の受け入れを通して、日本の教育問題の縮図を見続けてきました。日本の教育をよくするためには、親の再教育こそが最も重要な課題ではないかと考える中で構想したのが『家庭教育』という学問です」と、和田公人理事長は語る。
一般的に子育て支援は、学校や民間組織の自主的な勉強会などで、必要に応じて行われている。しかし、「科学的分析に基づくデータを蓄積・体系化し、正確な情報として発信できる機関としては大学という形がふさわしく、家庭教育に関する研究もできる。そう考えて、大学を設置する計画が固まりました」と和田理事長。小さな子供を持つ女性をはじめ、できるだけ多くの人が学べるようにとの配慮から通信制を取り入れた。
設置認可にあたっては、家庭教育というテーマが大学教育としてなじむのかというのが論点となった。設置審との度重なるやり取りを経て、八洲学園大学が考えているのは、個々の問題解決のための学習に終始するのではなく、家庭教育を理論として修得し身近な人に波及させていく学問である、というコンセプトを明確にしていった。
子育てで勉強から遠ざかっている主婦層に目をつけ、家庭教育というテーマのカリキュラムを構築、独自のeラーニングシステムを導入し、学びやすい環境を整えたことが八洲学園大学の特色となっている。
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