ベネッセ教育総合研究所
特集 今、なぜキャリア教育か
生駒 俊樹
東京都立武蔵高校教諭
多摩地区高等学校
進路指導協議会
事務局長
生駒 俊樹
PAGE 7/20 前ページ次ページ


【寄稿】
大学のキャリア教育に必要なのは
インターンシップの充実と社会理解の促進
高校教員が毎週集まり、企業・大学等を訪問

 大学のキャリア教育のあり方を述べるにあたって、考えるきっかけとなった東京都の多摩地域における高大連携の取り組みについて先に紹介しておきたい。
 多摩地域では、03年度から高校と大学・短大との全面的な連携教育(チャレンジキャンパスプログラム)が始まった。04年度は、多摩地域の15大学・短大の授業で高校生の受講を認めるもので、実現の背景には、42年間もの多摩地区高等学校進路指導協議会(多摩高進)の活動があった。
 多摩高進は1962年6月に創設され、現在は多摩地域の国・公・私立123校が加盟している。毎週金曜日に各校の進路指導担当の教員が集まって企業・大学等を訪問・見学し、入手した情報を生徒に伝える活動を行っている。このような活動を通した大学・短大等の教職員との長年にわたる交流があったからこそ、全面的な連携が可能となったのである。
 多摩高進としての高大連携の取り組みは、00年の秋に中央大学商学部から高校生対象のHigher Educationチャレンジプログラム(略称=チャレンジプログラム)への協力要請があったことから始まる。これは、中央大学商学部が高校生を科目等履修生として受け入れるものであった。
 武蔵高校でも01年度から2人の定時制の生徒が参加。これが契機となって他の高大連携プログラムにも積極的に参加するようになった。具体的には、成蹊大学全学部との連携プログラム、学術・文化・産業ネットワーク多摩(略称=ネットワーク多摩)加盟の大学・短大とのチャレンジキャンパスプログラム、法政大学キャリアデザイン学部との連携プログラムなどがある。中央大学商学部のチャレンジプログラムと合わせて02年度は5人、03年度は13人、そして04年度は18人の生徒が大学の講義を半期もしくは通年、受講している。


PAGE 7/20 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse