人材育成の観点から教育内容を見直す
「自立した女性の育成」をスクールモットーに掲げる京都橘女子大学は、就職支援やキャリア支援で常に先進的な取り組みを行ってきたが、05年度からさらにそのシステムを全面的に見直す。
改革論議には2年間を費やした。理事長や学長、教職員の代表などによる「基本構想委員会」を設置し、大学の現状と将来像を徹底的に分析した。その結果、共学化や看護学部の新設などが実行に移されることになった。
キャリア教育の充実は、今回の改革の大きなポイントだ。これまで正課のカリキュラムは教務課が、課外のキャリア教育は就職課や学生支援課キャリアセンターがそれぞれ担当し、別々に運営されてきたが、「人材を育成するという観点から言えば、本来は統合されるべきもの」(梅本裕副学長)との判断から、両者を一体化し、体系的なキャリア教育を実施することに決まった。
新カリキュラムのスタートを前に、04年度から一部を前倒しし、現行カリキュラム内でキャリア教育を実施する試みも始めている。進路や就職に目を向ける授業として、「職業と社会」「ライフマネジメント論」「国際経済論」などの科目を展開。これらのパイロット授業に対する学生の意見を吸い上げ、教授方法のノウハウを蓄積して、新カリキュラムに生かす方針だ。
キャリア教育の重要性を教員に認識させるため、学内体制も整備した。教務部長と学生部長が学生の育成方策について協議する「部長会」を設置し、主に就職を取り巻く社会情勢について共通認識を持つための「教職員学習会」も開催している。
また、「FD委員会」では、03年度から1、3年生を対象に一般常識などを測る「キャリアテスト」を実施。学生の能力を把握して教育効果を測定し、カリキュラム改善に役立てている。
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