ベネッセ教育総合研究所
特集 今、なぜキャリア教育か
 
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日本キャリアデザイン学会が発足

研究者と実務者の出会いの場として幅広い議論に期待

 日本キャリアデザイン学会の設置構想は、法政大学のキャリアデザイン学部の設置準備の段階から持ち上がっていたという。アメリカに倣って日本でも、キャリア教育の学問的体系の整備を進める必要があると考えたからだ。さらに、キャリア教育の必要性の高まりを受けて、キャリアデザインをテーマにした学科設置が続くことが予想され、文部科学省をはじめ関係機関からも、学会設立が提案されていた。
 日本キャリアデザイン学会の発起人会事務局長を務める川喜多喬教授によると、設立の狙いは、学会活動を通して研究者と実務者が出会う場を増やすことにあるという。中学校や高校の進路指導担当教員を中心とする学会や、大学の就職部の職員の集まりは、これまでにもあった。企業の人事担当者同士のネットワークもあるが、これらの人たちが一堂に会して議論する場所はなかった。研究の場と現場の乖離を防ぎ、各現場の連携を促進する意味でも大きな成果が期待されている。
 学会創設時点での会員数は約250人。大学教員や研究者、大学の就職担当職員、企業人事担当者などが約4分の1ずつで、高校の進路指導担当教員、人材ビジネス関係者、NPO職員などが続く。
 川喜多教授は、「キャリア支援に関わっている人たちがこれだけ集まったのだから、日本に必要なキャリアに関する教育や研究の知的センターとして発展させたい」という。研究会の実施やニュースレター、メールマガジンの発信のほか、キャリア教育の専門家を目指す者がデビューする場にもしていきたいという。

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9月25・26の両日、法政大学で日本キャリアデザイン学会の設立大会が行われた。


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