ベネッセ教育総合研究所
教育力の時代
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教育力の時代―FDのその先へ―

第10回 学生ニーズを取り込んだ柔軟な課外学習プログラム
関西国際大学
 関西国際大学は、人間学部、経営学部の2学部3学科からなる。開学からまだ7年目だが、学生のニーズに合わせて多彩な短期・長期の課外学習プログラムを提供する学習支援センターの取り組みが、2004年度の「特色ある大学教育支援プログラム」に採択された。その成果は履修科目にも反映され、導入教育などで効果を上げつつある。
学習、身体、精神を一つの窓口で総合的に支援

 厳格な評価の代名詞であるGPA制度を導入する大学が増加している。04年3月、文部科学省が発表した「大学における教育内容等の改革状況について」によれば、2002年度に学部単位でGPA制度を導入しているのは146大学。03年度から58大学の増加となる。
 関西国際大学では、GPA制度を98年度の開学時からいち早く取り入れている。成績を0〜4までの5段階で評価。3学期制をとっており、2学期連続で累積GPAが1.0未満になると退学勧告がなされる。この制度を運用するために設けられたのが学習支援センターだ。
 「新設校ということもあり、優秀な学生ばかりが入学するわけではありません。そこで、GPAでつまずいた学生のサポートのため、学習相談などを行う支援センターを設けたのです」と、濱名篤副学長は振り返る。
 支援センターは、学習の相談に応じたり、センター独自の学習プログラムを提供する学習支援室のほか、保健室、カウンセリング室で構成され、学習、身体、精神の三つの側面から学生を総合的にサポートしている。
 副学長など幹部がセンター長を兼務。7人の運営委員は、教員の中から若手とベテランを交ぜて学長が指名し、センター長の下で企画運営にあたる。教員は授業の空き時間を使う形で週に1コマのオフィスアワーを担当、支援センターで待機する。学長の呼びかけもあり、現在教員の7割が協力している。メンタル面の問題で成績が低下している学生には、教員とカウンセラーが連携して対応することもあるという。また、教務課と合同で定期的に学生の出席や課題提出の状況を調査し、単位修得が危ぶまれる場合は、その学生のアドバイザーを務める教員に情報をフィードバックする役割も担っている。


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